1882.【双子、テストで満点！】 ページ32
［和side］
翔「ちょっと…笑
この点数、どうした？」
「きゃはっ！分かんなかった！」
雅「ひでーな！笑」
「雅にぃには言われたくないよーだ！！」
雅「こんにゃろっ！」
「きゃはっ！！」
何の悪びれもなくテストを差し出して
ワチャワチャしてる俺の後ろで、潤がモジモジ…
翔「潤もテスト？見して？」
潤「えっ…」
翔「えっ…て。笑
見せに来たんじゃねーの？」
潤「そうだけど…」
潤はね、良くない点数を獲ったことを気にしてる。
『翔にぃ、ガッカリするかな…』ってね。笑
雅「見せてごらんよ、潤ちゃん？
和よりはいい点数なんでしょ？」
「うるせーやっ！」
雅「あひゃひゃ！！」
潤「…」
潤はテストを隠したまま俯いてしまって…
「やっぱいい…見せたくない…」って
部屋に戻ってしまった。
「あーあ…雅にぃがふざけるから。
潤、気にしてたのに〜」
雅「だったら最初から、そう言えよ！笑」
バコッ…
「いてっ…！暴力兄貴っ！笑」
雅「あひゃ！こんにゃろっ！」
「きゃはっ！」
我が家にはこうやってバカにも付き合ってくれる
にぃちゃんが居るんだから、潤も少しは気楽に
いけばいいのに。笑
翔にぃだって、バカやりたい時は付き合って
くれるしね。
バカにも天才にもなれる、にぃちゃんだから。笑
［潤side］
コンコン…
部屋に籠って10分くらい経ったら、ノックされる
ドア。
「…」
翔「じゅーん？入るよ？」
「…」
翔「居るんだろ？」
「…いない！」
ガチャッ…
翔「…笑。いるじゃん」
「…っ」
「いない」って言ってるのに開いたドア。
思わず布団に潜って隠れたら「どうした…？」って
頭の上で心配そうな声がする…
「…んでも、ない」
翔「なら、いーけどさ…？」
ベッドに腰掛けた翔にぃ。
布団の上から優しい力でポンポンと肩の辺りを
叩いてくれる。
「…スト、点数、悪かったんだもん…」
不思議と本音がポロリ。
そんなことで機嫌を損ねてるなんて恥ずかしくて
言えないけど…
でも、翔にぃの前だったら言えちゃうから
不思議だ。笑
翔「珍しいね。分かんなかった？」
「…ん」
翔「そっか、そっか」
「…っかり、する…？」
翔「ん？がっかり？」
「…ん。する…？」
布団に潜ったまま問い掛けたら「良くない点数で
潤がショックで落ち込むなら…俺もガッカリ
するかな」って。
「潤が気にしないなら、俺はそれでいいよ」って。
俺はね…落ち込む。
だって、頑張ったつもりだったんだもん…
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作者名：空
| 作成日時：2015年5月2日 14時
