【ヒプマイ】僧侶の世話役は何故か色んな人から好かれます。

37話 ページ38

sideA

A『ワンちゃーん。』

空却｢テメェも拙僧と大して変わんねぇだろ。｣

イヌ。よりはマシです。

獄｢開けたぞ。｣

十四｢空却さーん、白銀さーん。開いてるッスよー？｣

A『はーい。』

空却が事務所に入っていきました。

撫でるとしっぽ振って可愛い…

A『可愛いねぇ。』

空却｢いつまで撫でてんだ。｣

出てきた…

A『アニマルセラピーです。』

空却｢あん？｣

癒されます。

｢あ、あの…｣

？

A『飼い主さんですか？』

｢はい。｣

A『良かったねぇ。』

撫でたからか懐かれました……

人懐っこい子ですね。

空却｢!!｣

なんか事務所から変な音が…

空却｢A！茶ぁーッ！｣

ああもう…せっかく癒されたのに…

A『今行きますからっ！』

獄｢俺は珈琲。｣

はぁい。

A『では失礼します。』

ワンちゃんに目を向け、

A『ばいばい。』

手を振ります。

事務所に戻り、お茶と珈琲を淹れる。

A『可愛かったなぁ…』

空却｢……｣

A『なんですかー。』

背中に抱きつかれても…

獄｢嬢ちゃんセラピーか？｣

はい？

私はセラピストじゃありません。

A『私に何を求めてるんですか。』

トレーに乗せて運ぶ。

A『どうぞ。』

獄｢サンキュ。｣

空却｢……｣

A『…』

空却｢ｽﾞｽﾞｽﾞ…｣

お茶を啜る。

フーッフーッ…

A『…ふう。』

落ち着きますね。

私の膝元がいつの間にか空却に占拠されてました。

何度見てもピアスの数凄い…

私が触ろうとする手を少し目で見て視線はケータイに戻す。

軽く触れてから窓を見る。

あ、そうだ。

A『…後でお線香買わないと…』



そういえば

最後に兄の声を聞いたのはいつだったのでしょうか。

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