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「三年にとっては」 ページ29

実渕side


海常の試合が終わり、次は何処を見ようか対戦表を見ると、視界の端に三年生の顔がうつった。

その表情は何処か寂しそうで、そしてホッとしていた。

葉山「ねーねーなんでそんな暗い顔なのー?」
貴方「んー?なんでもないよー」

……あぁ、そうか。三年生にとっては本当に最後の大会。
黛さんも樋口さんもAちゃんも、今回の大会が最後。

負けてしまった相手チームの三年生に同情しつつ、海常の三年生が勝ってよかった、というような表情。

赤司「……玲央、あの三人は海常の誰かと知り合いなのか?」
実渕「さぁ…。Aちゃんが桐皇の今吉さん?だったかしら。その人とは中学が一緒らしいけど」

赤司「ふむ…。まぁいい。
次は桐皇と誠凛の試合を観る。」


すると三年生は直ぐに荷物を持って席をたった。
何故か控え室方面に行ったが、多分今吉さんに声をかけるだけだろう。


葉山「……センパイ、今回の大会で最後なんだよね?」
根武谷「あ?そうだな」

実渕「もちろん最後まで残って、優勝よ。」

赤司「勿論だ。完全勝利しないといけない。……その為には、なんでもする」


大会前の征ちゃんの言葉が脳裏によぎる。
征ちゃんも、入学してすぐよりかはマシになってきた。

……それでも、まだ何かがある。

早く解放されればいいのだけれど。

「失礼します!ちょっかいかけにきました!!」→←「ウィンターカップ開始」



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作者名:ハク | 作成日時:2020年4月5日 14時

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