俺にだけ

月夜の様な貴方。　murder ページ14

自分は俗に言う一目惚れとやらをした。



月が満月の夜、一人の人と出会い、其処で恋とやらをした。



　
「貴方､モンスター？」


mu「…そうだが、お前は人間だよな？」




すると、ナイフが此方に飛んだ。すると、骨が此方に飛んだ。



相手が油断した隙に攻撃をしようと考えていたからである。




「ふふ、まさか骨が骨で攻撃してくるとは思わなかった！」


mu「人間は必ずナイフで攻撃しないといけないのか？」

「…此れからも宜しくしてくれる？モンスターさん。」




相手の警戒心が少し無くなる。攻撃しようとしていたのに､だ。可笑しな人である。



此れが出会い。ムードも何も無いが初対面にしてはよく話せたと思う。



あの人は確か───



夜と名乗った。月と名乗った。



偽名なのは理解出来たし、相手も言っていた。



そして、あの人も経験値を取りに此処辺りに来ているらしい。



妙に気の合う奴だ。漫画で言うおもしれー奴､の様な事を互いに言い、其の日は別れた。



其の後、自分達はあるルールを作った。



一つ、相手を殺 す。尚、肉体的、精神的かは問わない。



一つ、殺 された方が敗北となり、今まで貯めてきた経験値は全て相手の物となる。



一つ、回復、逃亡、増援、ルールを破る事は無し。其の人は反則負けとし、殺 される。



という、此の三つのルールが有る。遊び感覚だが、つまりはデスゲームである。



殺 るか殺 られるかのルールが今此処で役に立った。




「うわ、何其の能力！！瞬間移動とか反則でしょ！！」


mu「お前は俺より体力有るだろ、阿呆！」


「言ったね、今阿呆って言った！！」




武力では何方も互角の為、何時も勝負が決まらない。



だが、何方も隠し玉は有った。




「避けるだけでなく攻撃してみなよ。言っておくけど、まだ本気出していないから。私が本気出したら君何か何処か飛んでいくから。」


mu「何言っているんだ、其れはお前もだろう。特大ブーメラン刺さっているのに気付いていないのか？そしてお前はもう少し避ける事を覚えろ。」


「はぁ？君の攻撃何てデコピンにも満たないし。攻撃を当てるとかいう問題じゃなく、攻撃力上げていけば？」




そう、喧嘩。呼び方は何でも良いが、兎に角こんな事ばかりしていた。



相手の粗を見付け指摘する。こんな下らない事が何よりも楽しく思え。



だが、そんな事を言っていられるのも今の内。



ある日、事件が起こる。

〃→←〃

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す