からかわないで、月永くん。

１６.近づけないでください ページ17

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休み時間、誰とも話さずに新しく買った本を読んでいた私。本を読む時間が減っているため、休み時間の間に読んでしまおうと思ったのだ。

ミステリー小説を好んでいる私だけれども、たまにはと思い、恋愛系の小説を読もうと思った。他にもジャンルがあるのにも関わらず、何故恋愛系を選んだのかは自分でも分からない。


まぁ＿興味を持った、から？





「うっちゅ〜☆」


『うわ....ビックリした。レオくんが教室にいるだなんて珍しいね？』


「わはは！おれが教室にいるってそんなに珍しい事なのかっ？まぁ、どーでもいい！」





私の前の席の人の椅子に座るレオくん。身体をこちら側に向けて話す気満々だ。

本を読んで過ごそうかと思ったが、人が来たなら仕方がない。話す気満々のレオくんがいるのに本を読むだなんて失礼だ。本を机の中にしまい、彼と話す姿勢をとった。





「本、しまわなくてもよかったぞ？おれが勝手におまえの所に来ただけだし。」


『まぁ....。本を読みながら人と話すのはなんか申し訳ないというか....。』


「堅苦しいなぁ。おれは特に用事があって来たわけじゃないのに....。」





別に堅苦しくないような....。
まぁ、いっか。

レオくんが来たものの＿一体どんな話題を出せばいいかが分からない。互いに話さない時間が続くのだけは防ぎたい。


どんな話題なら盛り上がるのだろうか。





『今日はいい天気だねー。』


「あぁ！確かにそうだな！いい天気だといい曲が浮かんできそうだっ。」





天気の話題を出した私を殴りたい。
これで会話が膨らむのか？私からしたら難しいのではと思うのだが。

会話って難しいなぁ....。コミュニケーションの秘訣に関して載ってる本でも買おうか。



それよりも....。




『なんか顔近くない？』


「えぇっ、そうか？」





なんか顔が近い。
同性ならば特に気にしないけれど、やはり異性だと気にしてしまう。





「この距離感が普通だと思うぞ。」


『えぇ....レオくんの距離感と私の距離感は全然違うからねっ！？』


「なんでそこまで言うんだよ....そんなに近いと恥ずかしいからっ？」


『....からかってるでしょ。』


「わはは！どうだろうな？」




....絶対にからかってるよね。


*近い*





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