月永くんの毒舌事情。２ (ページ1)

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『月永くん月永くん。』

「おまえの話を聞くとか時間の無駄無駄。どっかいけよ、しっし。」

『虫扱いされた泣きます。』

これは月永くんなりの愛情表現だと思っておいた方がいいか。全く素直じゃないなぁ。

「....で、何の用？」

『あ、ちゃんと聞いてくれるんだ。』

「おまえが手に持ってる書類を見れば、伝えたい事は大体分かる。今度おれたちがやるライブに関する事だろっ？」

『おぉ、大正解。』

手に持っていた書類を月永くんに渡す。
月永くん率いるKnightsのライブの企画を担当した私だが、正直本当にこれでいいのかと不安で仕方がなかった。

だから、生徒会に提出する前に、リーダーである月永くんに詳細を確認して欲しかったのだ。

＿こういう真剣になる時の月永くんのが表情いいなぁって思うんだよね。

「＿＿分からん！そんな細かい事が書かれてあってもいくら天才なおれでも分からない！」

『ちょ、あんなに真剣に読んでいたのに答えがまさかの分からないってどゆ事？』

「あれは頑張って理解しようとしてただけ！堅苦しい事は嫌いだ！楽しくもっと気楽に....！」

まさかそうなるとは。
仕方ない。他のメンバーの人にも聞いてみるとしようではないか。やはり意見がないと、このまま生徒会に提出するのは何か嫌だ。

＿＿もし、私の企画のせいで失敗してしまったらと思うと胸が痛い。

「....なぁに難しい事考えてるんだ？脳内花畑であるおまえがそんな事考えてたら、頭パンクしちゃうぞ！パンクしちゃった様子を見るのもありかもしれないけどなっ！」

『脳内花畑じゃないし！私の頭は常に正常ですよ！！』

「おまえが正常？ないない。いつも変な行動ばかりしているおまえが正常なわけがない。」

『それ、月永くんにも当てはまるよね。』

月永くんから見た私って、どんだけ酷いんだよぉぉぉぉぉ。と思いながら、ため息をつく。

すると彼は、軽く口角を上げた。その謎の笑みに首を傾げたくなる。

「おまえは自分勝手に自分の都合だけで企画を考えたりしないだろ？みんなが笑顔になれる企画なら、おれはそれでいい。」

『....月永くん、大人になったね。』

「は？はっ倒すぞ。」

月永くんが優しくて、思わず涙が出そうになってしまったよ。しくしく。

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