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「ドラマの撮影終わったら髪色どうするの?」
茶髪似合ってるけど、と付け足す恭平。
「どうしようかな〜」
無難に黒に戻そうかな、なんとなく。
ていうか、恭平こそ、
「最近あんまり髪の毛遊ばないね」
「俺の話?」
「そう」
俺は髪色コロコロ変えてる恭平割と好きなんやけどな。
恭平のファンの子も髪色遊んでる恭平が好きなんじゃないのかな?
「別に、俺もなんとなくやで」
「ふーん?」
なんとなくにしては、結構長い間茶髪だしセンター分けも多いよねと思ったけど、言わないでおいた。
だって俺は恭平のお風呂上がりのラフな髪だって見れるからね。
今みたいに。
「うわ、どした?」
突然振り返った俺に驚きながら、顔に風が当たらないように違う方向にドライヤーを向けてくれる恭平。
なんにも考えてないよって感じ出しておいて優しい。
「今度は俺が乾かしてあげる」
恭平の手からドライヤーを奪って、俺が座っていた椅子に座らせる
何回もブリーチしてる恭平の髪は手入れをしっかりしているからかさらさらだった。
「珍しい」
満更でもなさそうな恭平。
「ねえ、恭平。⋯⋯好きだよ」
思わず口から漏れた言葉。
本当に無意識だった。
あ、と思ったあと恥ずかしくなって顔が熱くなるの感じた。
よかった、恭平がこっちを向いてなくて。
「なに?なんか言った?」
前を向いたまま、大きな声で言う。
ドライヤーのお陰で恭平には聞こえなかったらしい。
良かったと思うと同時に残念やったなとも思う。
素直やない俺は恭平みたいに真っ直ぐに愛情表現が出来ない。
他のメンバーにはふざけの延長線上で大好き、なんて言葉に出せるのにいちばん伝えたい相手には素直になれない。
⋯⋯俺の心は割と乙女なんやな、
恭平に、好きだよと言われても俺もとしか言えない。
照れ隠しに、知ってるなんて言ってしまうこともあるけど、恭平は分かってくれるからそんな俺を笑って抱きしめてくれる。
そんな恭平に甘えてきた俺は、恭平に好きだよと伝えられたことが何回あっただろう。
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咲希@skrmc(プロフ) - 50話まで書き切りありがとうございました。更新してくださっている間、とても素敵な時間を過ごせたと思います。度々気になっていた最後の「()」。あれは歌詞だったのですね。また恋香さんの小説が作成され、機会があればまた読ませていただきます。 (2022年5月28日 0時) (レス) @page49 id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
rinu - 純愛でした♥ (2022年4月6日 0時) (レス) @page33 id: d47608d8bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋香 | 作成日時:2022年2月15日 16時