40：変装の二乗 ページ41
グラエナを宥めようとしたのであろうピカチュウに、彼は紅い瞳を向けた。
『お前のトレーナー、』
『サトシ？』
『ああ。お前にとってのあいつが、俺にとってのカイトだ』
何の話？と目を眇めたピカチュウ。
しかしそれを気にすることなくグラエナは続けた。
『そいつが、普段着飾ることなんてないそいつが、ひょんなことから粧すことになった。…この際女装云々は置いといて』
『うん』
『頭からつま先まで粧し込んだそいつは、想像してた以上に綺麗で、魅力的だった。おまけに、仲間思いなそいつに相応しく手持ちのポケモンをモチーフにした服装だ。最高だろ？』
『言えてるね』
『ただ、最大にして唯一の問題が１つ。そのモチーフが自分じゃなかった』
『…』
『一番長い時間を過ごしている自分じゃなく。全身別の奴色にフルコーディネートだ。…分かるか？』
『ごめん君の気持ちが痛いほど分かったこれは酷い』
ピカチュウはグラエナの話をおとなしく聞いていたが、ばっと顔を覆って一息に告げた。
『サトシの一番の相棒は僕だよ！染まるなら僕色に！他の奴なんてやだ！！』
『カイトの唯一の幼馴染は俺なんだよこんちくしょう！！』
『でもサトシならどんなデザインでも着こなせちゃう！それも最高！だけど着るなら僕にして！！』
『似合わねえわけないだろ！可愛いよ！だけど何で俺じゃねえんだ！！』
『ねぇ知ってる？？サトシ女装も完璧なんだよ？恥じらう顔もまた可愛い！何これ天使なの？完璧なの？？』
『カイトだって負けてねえ！！』
『ああ、僕色のサトシを見たかった！！黄色いシャツ赤い頬ギザギザマーク…！！』
『黒と灰でまとめたカイトも絶対に最高だ！元がいいんだからシンプルな方がいい！そんで差し色の紅がカイトを引き立てるんだよ！！』
相棒、もしくは幼馴染への思いを吐き出す2人を見て、エアームドは若干引いていた。無表情が幸いして表には出ていないが。
もちろんエアームドだってカイトのことを大切に思っている。…だがこのノリに着いていくのははっきり言って無理だ。
『今回は事情がある。それにお前のトレーナーは着飾る予定はないのだろう？』
『『黙ってろよ(てよ)勝ち組！！』』
解せぬ。
若干天然の入っているエアームドには、彼らの胸中がさっぱり分からなかった。
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桜光 - ピカチュウ・・・が崩壊してる(;・д・) (2018年12月28日 21時) (
レス) id: c1c7fb77d9 (このIDを非表示/違反報告)
こうもり(プロフ) - さん» 謎を作ってしまい本当にすみませんっ！ずっとミスしたままになるところだったので、とても助かりました！そう言っていただけてとても嬉しいです、ありがとうございます！ (2017年1月10日 15時) (レス) id: 2edc5e6d88 (このIDを非表示/違反報告)
- それに、よくある作品のように話の内容もぶっ飛んでなくてしっかりしてるし、文章も上手のようなので……とても好きです！これからも頑張ってください。((突然すみませんでした。 (2017年1月10日 13時) (レス) id: 3c17733505 (このIDを非表示/違反報告)
- あ、いやいや目に余るなんて……貴方の作品は凄いと思っています！そういうことだったんですね。謎が判明して良かったです。 (2017年1月10日 13時) (レス) id: 3c17733505 (このIDを非表示/違反報告)
こうもり(プロフ) - さん» 私も時折見返して変換ミスがないか確認していますが、それでも見落としてしまうことがあります。目に余るようでしたら、何話目にミスがあるのか教えてくださると嬉しいです！出来る限り早く対処させていただきます。ご迷惑をおかけしてすみません。長文失礼致しました。 (2017年1月10日 12時) (レス) id: 2edc5e6d88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こうもり | 作成日時：2016年7月18日 7時
