31：咲き損ねた薔薇は ▼ ページ32
ポケモンに檄を飛ばすトレーナーに、熱心だなあと思っていたカイトだが、森の方から響いてきた羽音にハッとなった。
遅れて気付いたトレーナーが振り返ってきたときには、スピアーの群れが彼女とモココに針を向けていた。
電撃波に驚いたスピアー達が襲ってきたのだ。
「ス、スピアー…っ！？」
彼女が尻餅をつくや否や、カイトは全力で飛び出した。
腰が抜けて動けない彼女の前に立つと、モンスターボールを空へと投げる。
「グラエナ！雷の牙で牽制！！」
ボールから出てきたと同時に、グラエナはその牙にありったけの雷を纏わせた。それをスピアー達に向かって『ガチッ』と音を立てて噛み合わせれば、空中に電撃が迸る。
高威力のそれに恐れを成したスピアー達は、慌てて森へ帰って行った。
『一昨日来やがれー』
とりあえず棒読みで襲撃者の背中を見送ったグラエナは、自分のトレーナーの聡明さに鼻高々だった。
グラエナ自身はもちろん、Aだってグラエナの実力は理解している。あの数のスピアーぐらい簡単に伸してしまえると。しかし、周りに他の人間や無関係なポケモンがいることを危惧し、わざわざ実力を見せつけるような真似をしたのだ。
『こちらはこれだけの力を持っている。引いた方が賢明だ』と伝えるために。
もし力尽くで追い返そうとこちらが先に手を出したならば、スピアー達は意地でも抵抗してきただろう。
それを瞬時に判断し、誰にも怪我をさせることなくやってのけたのがAだ。
俺のAマジ最高。
そんな気持ちで一杯だったグラエナは、『雷の牙で牽制』という指示だけでトレーナーの意思を汲み取り尚且つ行動に移したことの凄さなど頭になかった。
まあ、誰かに指摘されたとしても『俺はAの幼馴染だぞ当たり前だ』と平然と言うのだろうが。
そして、そのグラエナご自慢のAはというと。
唖然として立ち上がれずにいたトレーナーに手を差し出しているところだった。
おお？とグラエナは思った。
A…いや今はカイトだ。そのカイトが差し出す手を取ろうとせず、ただぽわんとした表情でカイトを見つめている。
「大丈夫？」
優しく相手を気遣う声に、トレーナーの頬が僅かに染まる。
うん？マジでか？
これはひょっとするとひょっとするのか？？
相手からの反応がないので、カイトは若干困った顔になった。対応が遅れたせいで怪我でもさせたのでは、と心配しているのだろう。
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桜光 - ピカチュウ・・・が崩壊してる(;・д・) (2018年12月28日 21時) (
レス) id: c1c7fb77d9 (このIDを非表示/違反報告)
こうもり(プロフ) - さん» 謎を作ってしまい本当にすみませんっ！ずっとミスしたままになるところだったので、とても助かりました！そう言っていただけてとても嬉しいです、ありがとうございます！ (2017年1月10日 15時) (レス) id: 2edc5e6d88 (このIDを非表示/違反報告)
- それに、よくある作品のように話の内容もぶっ飛んでなくてしっかりしてるし、文章も上手のようなので……とても好きです！これからも頑張ってください。((突然すみませんでした。 (2017年1月10日 13時) (レス) id: 3c17733505 (このIDを非表示/違反報告)
- あ、いやいや目に余るなんて……貴方の作品は凄いと思っています！そういうことだったんですね。謎が判明して良かったです。 (2017年1月10日 13時) (レス) id: 3c17733505 (このIDを非表示/違反報告)
こうもり(プロフ) - さん» 私も時折見返して変換ミスがないか確認していますが、それでも見落としてしまうことがあります。目に余るようでしたら、何話目にミスがあるのか教えてくださると嬉しいです！出来る限り早く対処させていただきます。ご迷惑をおかけしてすみません。長文失礼致しました。 (2017年1月10日 12時) (レス) id: 2edc5e6d88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こうもり | 作成日時：2016年7月18日 7時
