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24:夜の雫 ページ25

「…かちゅ…、じゅ…ま…ぼると、だ、…」


ゴン!!


「…んぁ?」


夢の中でもバトルを楽しんでいたサトシは、額に何か当たる感触と何かがぶつかる音で目を覚ました。

寝ぼけながら目を開くと、すぐ目の前に壁が。
最初に寝たときに壁に近すぎたのがいけなかったらしい。

頭を掻いて、一度大きく伸びをする。
一緒に寝ていたピカチュウを起こしてはいないだろうか。
…あれ、そういえばピカチュウは?


「あれ…ピカチュウ?」


側に黄色い相棒が見当たらない。

すると、窓辺から小さな声が返ってきた。


「ちゃあ」
「なんだ、そこにいたのか」


そちらの方を向くと、旅仲間達が眠っているのも見えた。
…だが、一人いない。


「…カイト?」


彼の名前を呟くと、ピカチュウが意味あり気に尻尾を揺らす。
サトシの少し前に起きたらしいピカチュウは、庭の方が気になるらしい。

もしかして、外にいるのか?

そう思って、サトシはそっと部屋を出た。







涼しい夜風が寝起きの身体に心地いい。

肩に乗っているピカチュウも目を細めている。


「きもちーな、ピカチュウ」
「チュウ」


なんの確証もなく出てきてしまったが、カイトはどこにいるのだろう。
ひょっとしたら手洗いに起きたか水を飲みに行っているのかもしれない。

カイトが庭にいないとしても、夜の散歩は楽しいものなので、ぐるりと回ってから帰ろうとサトシは思った。


すると、ピカチュウの耳がひくりと震えた。


「ん、どうした?」


そう尋ねると、ピカチュウはしきりに前方を指差し始めた。
その方向に何かいるのか、とサトシはピカチュウに導かれるまま歩く。

このまま行くと、最奥の湖に突き当たるんじゃ?と思い始めたときだった。


ふわり、と耳に届く感覚には憶えがあった。


歌だ。

カイトが歌を歌っているのだ。

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桜光 - ピカチュウ・・・が崩壊してる(;・д・) (2018年12月28日 21時) (レス) id: c1c7fb77d9 (このIDを非表示/違反報告)
こうもり(プロフ) - さん» 謎を作ってしまい本当にすみませんっ!ずっとミスしたままになるところだったので、とても助かりました!そう言っていただけてとても嬉しいです、ありがとうございます! (2017年1月10日 15時) (レス) id: 2edc5e6d88 (このIDを非表示/違反報告)
- それに、よくある作品のように話の内容もぶっ飛んでなくてしっかりしてるし、文章も上手のようなので……とても好きです!これからも頑張ってください。((突然すみませんでした。 (2017年1月10日 13時) (レス) id: 3c17733505 (このIDを非表示/違反報告)
- あ、いやいや目に余るなんて……貴方の作品は凄いと思っています!そういうことだったんですね。謎が判明して良かったです。 (2017年1月10日 13時) (レス) id: 3c17733505 (このIDを非表示/違反報告)
こうもり(プロフ) - さん» 私も時折見返して変換ミスがないか確認していますが、それでも見落としてしまうことがあります。目に余るようでしたら、何話目にミスがあるのか教えてくださると嬉しいです!出来る限り早く対処させていただきます。ご迷惑をおかけしてすみません。長文失礼致しました。 (2017年1月10日 12時) (レス) id: 2edc5e6d88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こうもり | 作成日時:2016年7月18日 7時

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