14:こんにちは、育て屋さん ページ15
「…2人も出て大丈夫だよ」
光と共に現れた2体は、カイトとアイコンタクトを取ると素早く視線を走らせる。
グラエナはすぐにカイトの傍へつき、エアームドは一鳴きして飛び上がった。
「ありがとう、エアームド」
カイトが小さく頷いたのを合図に、エアームドは庭の中で一番高い木へ飛んでいった。
暗い表情でエアームドを見送ったカイトの手に、グラエナはそっと鼻を押し付けた。
『大丈夫だ』
言葉は通じないけれど、ちゃんと気持ちを汲み取ってくれると知っているから。
「きゃあ!!」
カイトがグラエナの頭をそっと撫でたときだった。
びっくりしたような悲鳴にぱっと顔を上げる。見ると、ヒカリの腕の中からピチューが逃げ出すところだった。
「びっくりしたぁ!」
「ぴっちゅ!」
イタズラ大成功!とでも言いたそうなピチュー。ヒカリの髪がパチパチと電気を帯びているのを見るに、軽く電気技を使ったらしい。
その少し離れたところにいるサトシはビッパ達に苦戦しているようだった。
「いいか、今からブラッシングするからな」
「こら!どっか行っちゃダメだろ!」
「そっち、逃げるな!こっちも動いちゃダメ!」
別のビッパを注意している内に他が動き出す。まるでキリがない。ゴウカザルとブイゼルが手を広げて逃げないようにバリケードを作るが、ビッパ達は一向に止まる気配がない。いつの間にか姿を消していた5体目に気付いて、ムクホークが探しに行っていた。
「…僕に務まるかな」
いかにもポケモンの扱いに慣れていそうなサトシとヒカリであれなのだ。
考え込んでいたカイトの前に、ひょっこりとソーナノが姿を見せた。
じっとこちらを見つめてきたソーナノに視線を合わせる。カイトが首を傾げると、ソーナノも真似をしてこてんと首を倒した。
とりあえず警戒はされていないらしい。しゃがんで「おいで」と手招きすると、おずおずとこちらにやってきた。
「ブラッシング、してもいい?」
「ナノ!」
綺麗なソーダ色の体に、ゆっくりとブラシをかけて行く。
「嫌だったら言ってね」
「ナーノ」
『そんな優しくされて、嫌なわけないだろうが』
ソーナノはカイトの膝に背中を向けて乗っているので、カイトには顔が見えていないのだろう。ブラッシングの丁寧さもそうだが、優しく体を撫でる手の心地良さに、ソーナノはとても気持ち良さそうにしている。
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桜光 - ピカチュウ・・・が崩壊してる(;・д・) (2018年12月28日 21時) (レス) id: c1c7fb77d9 (このIDを非表示/違反報告)
こうもり(プロフ) - さん» 謎を作ってしまい本当にすみませんっ!ずっとミスしたままになるところだったので、とても助かりました!そう言っていただけてとても嬉しいです、ありがとうございます! (2017年1月10日 15時) (レス) id: 2edc5e6d88 (このIDを非表示/違反報告)
- それに、よくある作品のように話の内容もぶっ飛んでなくてしっかりしてるし、文章も上手のようなので……とても好きです!これからも頑張ってください。((突然すみませんでした。 (2017年1月10日 13時) (レス) id: 3c17733505 (このIDを非表示/違反報告)
- あ、いやいや目に余るなんて……貴方の作品は凄いと思っています!そういうことだったんですね。謎が判明して良かったです。 (2017年1月10日 13時) (レス) id: 3c17733505 (このIDを非表示/違反報告)
こうもり(プロフ) - さん» 私も時折見返して変換ミスがないか確認していますが、それでも見落としてしまうことがあります。目に余るようでしたら、何話目にミスがあるのか教えてくださると嬉しいです!出来る限り早く対処させていただきます。ご迷惑をおかけしてすみません。長文失礼致しました。 (2017年1月10日 12時) (レス) id: 2edc5e6d88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こうもり | 作成日時:2016年7月18日 7時