君が僕の希望だから 7

317：君が僕の希望だから ページ21

眼下に広がる青い海。
太陽の下で、水面が眩しく輝いている。


どこまでも続くこの景色は、ずっと見つめていても飽きることはない。

ここにはどんなポケモンがいるのだろう。
自分が知っているポケモンはいるだろうか。
それとも、まだ出会ったことのないポケモンだろうか。

そう考えただけで、胸がワクワクでいっぱいになっていく。
手足の指の先までそれが広がり、今にも駆け出したくなってしまう。


その気持ちを膨らませているのは、耳元から聞こえてくる一つのメロディー。

機内のラジオに繋いだイヤホンからは、懐かしい声が流れていた。


(元気にしてるかなあ)


俺はもちろん元気にしてるよ。
お前の歌は、俺のところまで届いてる。
俺、やっぱり好きだなあ。お前の歌。


心の中で呟いたのは、どこか遠い町にいる彼女へのメッセージ。

新しい夢を見つけ、新しい道を歩み出したあいつ。
今聞こえているこの曲が、彼女が頑張っている何よりの証だろう。

俺も頑張らなくちゃな、と小さく笑いを零した。


だんだんと海が近付いてきて、到着が近いことを知らせるアナウンスが流れる。

うたた寝をしていた相棒が、その音で目を覚ました。

寝起きのとろんとした声。

顔を擦って伸びをして、自分を呼ぶ。


今はもう別の曲に変わったイヤホンを外し、首を傾げる相棒に笑いかけた。


「行こうぜ、ピカチュウ！新しい冒険の始まりだ！」

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