32.踏み出せない一歩 ~和 side~ ページ32
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受付の人が片付けを始めてるロビー。
自動ドアから吹き込む、春はまだまだ遠く夜の風は冷たい。
「ここで大丈夫です。体、冷えちゃう…」
和「ん…」
そう言いつつもAちゃんも俺もその場を動かなかった。
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自動ドアがまた閉じる。
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和「…あのさ」
「…？」
“連絡先教えてくれないかな？”
そう聞こうとして…
和「…何でもない」
冷静になってみれば、Aちゃんは一般人であって
これ以上俺と関係持ってると、迷惑がかかってしまうかもしれない。
芸能人やってると、迂闊に動けないからね。
それにさっき食事も断られてるし…
こんだけお世話になっといてこれ以上迷惑かけらんないよな。
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病院の面会終了を知らせるアナウンスが流れた。
タイムリミット…か。
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「…じゃあ、帰りますね」
そう、Aちゃんが言った時…
後ろからパタパタと足音が聞こえてきた。
振り向くと、5歳くらいの男の子が横を見ながら俺の方めがけて走ってきていた。
和「うわっ、ちょっ！」
避けようとしたのも間に合わず
男の子の腕が俺の松葉杖に引っかかった。
「二宮さんっ！」
支えを失った俺の体はぐらりと揺れ
俺を受け止めようとしてくれたAちゃんもろとも地面に尻もちをついた。
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和「…ってぇ」
「だ、大丈夫ですか⁈」
目の前に君の心配そうな顔。
和「大丈夫。ごめん、また巻き込んじゃったや(笑)」
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さっきの男の子はまた何処かへ走り去ったみたいで
お母さんらしき人が何度も頭を下げてから、その子を追いかけて行った。
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ちか(プロフ) - 大宮さりぃ。さん» 大宮さりぃ。さん、初めまして！コメントすごく嬉しいです。主人公も二宮さんも不器用ですよね(笑)それゆえ、スローペースで進みますが、付き合ってあげてください。応援本当にありがとうございます！ (2014年3月11日 21時) (
レス) id: f4deae0e6b (このIDを非表示/違反報告)
大宮さりぃ。(プロフ) - ………くぅｯ!!!!初々しいなぁ！もぉ…(笑)お思いながら読ませて貰っている私ﾃﾞｽ(笑)とても引き込まれます！頑張って下さい♪ (2014年3月11日 20時) (レス) id: 35327966ca (このIDを非表示/違反報告)
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