Story.33 ページ36
「...ほう。これはまた...面白いお客様だ。
...何の御用ですか?浦原隊長、握菱大鬼道長」
...突然現れた彼らに、動転するどころか顔色一つ変えずにそう言った藍染。
私にはその落ち着いた表情が“計算道理”そう言っている気がしてならなかった。
「藍染...副隊長」
「はい」
「ここで何を」
「何も。ご覧の通り、偶然にも戦闘で負傷した魂魄消失案件始末特務部隊の方々を発見し、救助を試みていただけのことです。」
「下らない嘘を...!...!?」
思わず叫び、刀に手をかけた私を手で制したのは浦原さん。
ちらっと私を見たその目が“もっと冷静に”そう言っている。
黙って刀から手を下ろせば少しだけ私に笑みを向け、彼は再び藍染に視線を戻す。
「...何故嘘をつくんスか?」
「嘘?副隊長が隊長を助けようとすることに何か問題が?」
「違う。引っかかってるのはそこじゃない。
これが“負傷”?嘘言っちゃいけない
これは『虚化』だ」
「...なるほど
やはり君は思った通りの男だ。
今夜ここに来てくれて良かった。退くよ、ギン、要。」
そう言って笑う藍染の笑みは、黒かった。
やはり計算道理だったのだ。私がここに来ることも、浦原さんがここに来ることも、全て。
ならば今することは、彼を捕らえることでも、攻撃することでもないだろう。
「!...待...」
「お避け下され浦原殿ォッ!!!...宮本殿!?」
「浦原さんも握菱大鬼道長も落ち着いて」
私は浦原さんと握菱さんの目の前に立ちはだかって2人を制した。
そうして息を吸いこみ口を開く。
「...今日、アンタが私を隊舎に呼んだのは万一私がここに来なかった時のことを想定してでしょ。
最悪の場合、
アンタは今、浦原さんが邪魔で仕方がない。...浦原さんに罪でも擦り付けようとしてんなら、許さないから。」
“全部分かってるぞ”
そんな意味を込めて私は藍染の背中に叫ぶ。
すると浦原さんも握菱さんも気づかないほど一瞬の間。
瞬歩で寄ってきた藍染が耳元で「また迎えに来るよ」。そう呟いた後、頬に触れた柔らかい“何か”。
その生暖かい感触が藍染の唇であったと理解すると同時に襲ってきた寒気。
「ッ...!?...なんで」
私はその場に立ち尽くした。
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mochi(プロフ) - 霊圧食べて元気出る飢餓王さん可愛い…( ˙-˙)w (2022年1月9日 11時) (レス) @page10 id: 25f818244b (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - Angielina Ogasawaraさん» すみません、この作品を書いたのが二年近く前なので弓親の登場箇所を覚えていなくて……。訂正するために読み直しますのでお待ちください。それか、登場箇所が何話だったか教えていただけると嬉しいです (2019年1月25日 23時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
Angielina Ogasawara(プロフ) - 弓親の名字が違います。長谷川ではなく綾瀬川です。訂正お願いします。 (2019年1月25日 23時) (レス) id: 4b9d4590db (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ♂reon♀さん» 私の作品で不快になられたのなら申し訳ありませんでした。時系列は小説の設定のためわざと狂わしていますので直す予定はありません。私はそういうのも含めて夢小説の醍醐味だと思っておりますので、この小説が肌に合わないようでしたら他作品の方へお願いします。 (2018年12月23日 21時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
♂reon♀(プロフ) - 時間列がずれすぎだと思います。100年前には白哉はまだ子供で、そのうちにルキアが13番隊に入隊するのはおかしいです。それと、まだ11番隊隊長は更木剣八ではありません。キラ、恋次、雛森の3人で演習の時は既に五番隊隊長は藍染惣右介です。 (2018年12月23日 8時) (レス) id: d13ee7ed1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:近藤。 | 作成日時:2017年8月1日 23時