Story.13 ページ14
「うげぇ、口の中ずっと血の味するんだけど!?」
刀を探し始めて早10分。
別段急いで刀を探しているわけでもないので私は飢餓王と雑談しながら宮殿内をたらたら歩いていた。
...本来ならば急ぐべきなのは分かっているのだけれも。私の中にあるのは謎の余裕である。
それはそうと、道の途中、トイレも水道も1度も見ない。どうなってんだと再問答。やはりここまで広いと内部の地図でも手に入れておかないと攻略するにはキツいものがある。
私は血の味がする口の中をどうにかするべく、刀探しの途中て1度は水道に巡り会いたいのだ。
恐らくこの建物内には藍染の実験施設もある。実験には水道...純水が必須。...というわけで、必ず此処のどこかには水があるという根拠付けもバッチリ。
あわよくば実験室に私の刀が隠されていないかと願っている。...と、飢餓王が追った霊圧の先にあったのは試験管のズラリと並ぶ実験室。
ビンゴ。
しかし刀を見つけた時、そこの前には人影があった。
...見覚えのある青い髪。目つきの悪い目。
「...グリムジョー・ジャガージャック。
何、私の刀が盗られないように番でもしてくれてたわけ?」
「藍染サマがテメェに刀を渡すなってな」
「...困るなぁ、それ無いと不便でね。
...私、痛いの嫌いだから怪我したくないんだけど。」
そう言いつつ、私はグリムジョーを睨みつけながら指の関節をパキパキ鳴らしてみた。
...格好はつくけど挑発以上の意味は特にない。
挑発に乗って私にかかってきてくれれば速さで抜いて刀を手に入れられはしないか、という算段である。
...しかし
「残念ながら俺に刀番の趣味はねぇ、持ってけ」
「え?」
あっさりとグリムジョーが刀を渡してくれたおかげで、格好つけた私が只々恥ずかしいというだけの結果に終わった。
「...私知らないよ?私に刀渡したら藍染に怒られるよ?」
こんなにあっさりと渡されると何だかこっちの気が引けてきた。
いや、盗られた刀を渡してもらうことは当たり前と言えば当たり前ではあるけれども。
あたふたする私から顔を逸らしたグリムジョーの言うことには
「...借りは返したからな」
らしい。
「傷の手当てしてあげたこと借りだとか思ってたの?
可愛い、うわ、可愛い。ツンデレ?」
「ぶっ殺すぞ」
「いや、ごめんごめん。変に律儀なところが私のツレにソックリで。」
...この後、中と外両側から死の宣告がかかったのは言うまでもない。
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近藤。(プロフ) - 明里香さん» 色々教えていただいてありがとうございます。ただ、昔の作品は誤字脱字含めて更新予定ないのでここから先教えて頂かなくて大丈夫です。(今まで教えて貰った箇所は折を見て可能なら修正します。時間が無いので直せなかったらすみません) (7月29日 9時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 21話、俊光じゃなくて、瞬鬨です。 (7月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 20話、俊光じゃなくて、瞬鬨です。 (7月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 19話、俊光じゃなくて、瞬鬨です。 (7月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 17話、俊光じゃなくて、瞬鬨です。3箇所あります。 (7月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:近藤。 | 作成日時:2017年11月11日 13時