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月が照らす中、僕は木々の間を縫うようにして走る。
かなり飛ばされた、早く戻らなければ。
僕の隣にいたAもきっと、僕と同じように遠くまで飛ばされてしまったはずだけれど。
どうしてか、彼女は僕とは違う方向に飛ばされたらしい。近くにAの姿はなかった。
彼女の事も気がかりだが、鬼の方が優先順位は高い。
あの時部屋に入ってきた鬼は間違いなく上弦だ、一刻も早く頸を落とす必要がある。
もちろんAのこともすごく心配だ。
でも彼女は鬼殺隊、日々鍛錬を頑張ってる姿は何度も目にしたことがある。彼女なら大丈夫、僕は彼女を信じる。
とりあえず早く鬼を、と走っているときだった。
｢＿＿＿！｣
視界の隅、少し遠くの方で鬼と子供の姿を捉える。
子供の方は特徴的なひょっとこのような面を付けていて、日輪刀を持っている。
おそらく刀鍛冶かなにかだろう。刀の使い方もなってない、鬼が近寄らないように振り回しているだけだ。
子供。刀鍛冶として技術も未熟なはず。助ける優先順位は低い。
それに、子供を襲わんとばかりに迫っているあの鬼。
気配からしてあれは本体ではなく術で生み出されたもの。
｢うわあああ！！｣
ここで足を止める理由はない。
村全体が襲われているならまず里長、技術や能力の高い者を優先して守らなければ。
今自分が置かれている状況、自分が何をするのが一番効率的なのか。それらを冷静に把握し脳で処理しながらも、僕は走る足を止めない。
鬼と対峙している子供のために割いている時間などない、一刻も早くあの場に戻って、炭治郎たちの戦いに参戦しなければ＿＿＿
意識を子供から離そうとした時だった。
ビチビチ、ギョッギョッと心底気味の悪い音を立てていた魚のような気持ち悪い容貌をした鬼が、目の前の子供をぐわしっと掴む。
子供の苦しそうな呻き声が耳に入ってきた時、先程炭治郎が言ったあの言葉が、彼の優しげな笑顔と共にふいに脳裏に浮かぶ。
＿＿人のためにすることは、巡り巡って自分のために。
ぞわりと鳥肌が立った心地がした。駄目だ、あの子を見捨ててはならないと本能が叫んでいる。
脳で考えるよりも早く身体が動く。気が付けば僕は子供を鬼の元に向かっていて、子供をひっ掴む手をザンッと切り落としていた。
｢！！｣
｢邪魔になるからさっさと逃げてくれない？｣
べつに自分に巡ってくる見返りを求めていた訳じゃないけど、僕は子供を助けていた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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桜花(プロフ) - ぺーじ２９の上弦が上限になってますよなおしいたほうがいいかと私が間違ってたらごめんなさい (2020年5月12日 0時) (
レス) id: 28a0d4aa7b (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - お二人共コメントありがとうございます…！もうすぐで完結致します、どうか最後までお付き合い下さい！ (2020年4月19日 13時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
mustard(プロフ) - うわぁぁぁ夢主ちゃん死なないでぇえええ！！夢に溺れるから、ずーっと見てます！文才分けて欲しいほど面白くて、更新されたらポウッって声出して喜びます（？）ハッピーエンドを期待しております（（ (2020年4月19日 4時) (レス) id: e36ed0dc7b (このIDを非表示/違反報告)
液体(プロフ) - すごく面白いです...！！続きの展開がとても気になります更新待ってます頑張って下さい！ (2020年4月8日 23時) (レス) id: 5db20428bf (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - もえさん、朔弥さんコメントありがとうございます…！朔弥さんに至りましてはご指摘ありがとうございます！更新頑張りますので応援よろしくお願いします〜！！ (2020年4月6日 0時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかり
| 作成日時：2020年3月25日 17時
