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｢なっ、何やってるんすかA先生ぇ！？｣
｢は、はわわ…っ、A先生がこんなに近くに…！｣
わたわたと慌てる鉄虎を横目に、Aは翠の顎を掴んでいる手の親指で、そっと翠の唇に触れた。
どきん、と翠の心臓が跳ね上がる。
伏し目がちな彼女の目に、自分の唇を触れている彼女の手に。そして、この雰囲気に。
自分を取り囲む全ての状況にどきどきして、酔ってしまいそうな感覚を翠は覚えた。
しかし彼女はと言うと、甘い空気を醸し出すわけでもなく、翠に何か行動を起こそうとする訳でもなく。
ただ、唇に触れて眉をひそめただけ。
｢…ねぇ翠くん｣
｢は、はいっ…！何ですか、｣
｢ちゃんと唇のケアしてる？乾燥してるよ｣
すぅ、とそのまま親指を横にスライドするように撫でながら彼女は言う。
翠は何も考えずにふるふると首を横に振れば、彼女は唇からそっと手を離した。
｢さっき笑ってた時に切れそうになってたから…ごめんね、急に触って｣
｢い、いえっ…！｣
ぶんぶんと激しく首を横に振る翠を見ながら、彼女は白衣のポケットをまさぐる。
彼女の手に握られていたのは、リップバーム。
それを適量自身の指に付けると、彼女は再び翠の顎を上に向かせた。
｢せ、せんせ、っ｣
｢そのままじっとしてて、口閉じて｣
きゅ、と口を閉じた翠に、いい子、とAは褒める。
そっと唇に触れるようにリップを塗るAはどこか艶めかしい。
翠だけでなく、その教室にいた生徒はAの姿にごくりと生唾を飲んだ。
｢(いいな、羨ましいなぁ)｣
｢(凄いっす翠くん！俺だったら緊張して絶対無理っすよ〜！)｣
｢(終われ終われ…っ！で、でもA先生がこんなに近い事なんて無いし…そう思ったら終わって欲しくないような…？)｣
｢…よし！｣
茶髪を揺らしてAは翠から離れる。
ばくばく鳴る心臓を無意識に手で押えながら、翠は顔を真っ赤にして彼女を見つめた。
｢ちゃんと唇はケアしとかなきゃ
仕事で撮影入ったりするでしょ？切れてたりしたら大変だからね｣
使いかけだけど直で口付けてないから！と翠の手にリップバームを置く。
鉄虎に再び書類のことを伝えると、彼女は颯爽と立ち去ってしまった。
｢っ緊張した…！！｣
｢ずるいぞ翠！あんな女神と近距離で！｣
｢どうだった？いい匂いした？？｣
わっと集まる生徒と真っ赤な翠。
彼女は惑わすのが上手すぎる、と彼らは天を仰いだ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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ひかり(プロフ) - 月兎さん» 承知しました！お話に入りきらなくて続編での更新になる可能性が高いですが是非読んでくださいね！ (2020年3月26日 15時) (
レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - リクエストします。羽風先輩VS神崎くん と 神崎くんと時代劇の撮影と伏見くんVS茨くんをリクエストします。更新頑張ってくださいね。 (2020年3月26日 14時) (レス) id: fdb5669a18 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - あおいさん» ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです…！リクエスト、応えられるよう頑張ります！ (2020年3月23日 15時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - リクエストよろしいですか？「ライハ組とりっつが、ひっそりと夢主の好きな所を話し合ってる」みたいなのが見てみたいです！毎回面白くてにやけながら読ませてもらってます！これからも頑張ってください！ (2020年3月22日 23時) (レス) id: 456648e3b3 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - リクエストに答えて下さりありがとうございます！！凛月くんの方も楽しみにしていますね！！ (2020年3月19日 17時) (レス) id: bd5bbfc6ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいす
| 作成日時：2020年2月12日 22時
