急展開すぎる ページ2
赤いシャツに黒いスーツを羽織っていて威圧を感じるグラサンをかけている
ぐっと私に顔を近づけると「なぁ」ともう一度私に呼びかける
「あのさぁ、アンタのせいで怪我してもうてんけど」
『け、怪我...ですか...?』
やべぇよ、やべぇよ、やっちまったよ...!!
ほら、と見せてくれた肘の所にある筈の布は擦れ、赤くの滲んだ肌が露出していた
どうやら横の塀で擦ってしまったらしい
『ご、ごめんなさいっ...!!なんでも、なんでもしますから...!!』
恐怖でガタガタと体が震え始める
男の冷めた怒りのような空気感に威圧されて何も言えない
言ってしまったら殺されそうで...
地面におでこを付ける形で謝る
しばらくそうしていれば顔を上げろと低い声が落ちてくる
恐る恐る顔を上げると無表情の男がじっと私を見つめる
「なぁ自分。なんでもするん?」
『えぇ、まぁ...い、のちだけは...譲れません...』
私の言葉に男はぽかんとした表情を浮かべる
そして、何がおかしいのか大きな声で笑い出した
「ふはっ...おもろいなぁアンタ。.....ふーん?よく見たらアンタ可愛ええやん。俺の女になったら許してやるで」
じっとサングラス越しに私の目を見る
その目はやっぱり何も感情を読み取れなくて
『あの...』
「聞こえんかった?俺何回も言うの嫌いなんやけど」
『いやっ!聞こえました!』
「いい子やん。そんで?」
『急にそんなこと言われても...』
私は座り込んだまま、男はしゃがみ込んだまま時間が過ぎる
男が私から目線を外すことは無くて背中を冷たい汗が伝う
と、男の後ろからバタバタと2,3人の足音が聞こえてきた
「兄貴!ここにおったんですか!」
「勝手に出歩かんで下さい言うとりますやないですか!」
え、兄貴...??
またも黒いグラサンの男が2人、男の背後に立つ
男と違うのはスーツをきっかりと着ていて男のようにヒョロっちくないこと
男が立ち上がって会話を始める
「悪いな、次からは気をつけるさかい
この女、連れて帰るから車運んで。怪我はさせんなよ」
そして男は私に背を向けて歩いていく
左右にはガタイのいい男が2人
『え、ちょっと、ちょっと待ってよ...!!』
そして私は担ぎ上げられ為す術なくどこかへ連れていかれた
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