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……いい香り
この香りは
「…ん」
「…あ、起きたっすか」
いい香りで目が覚めて
薄っすら瞼を開いたら
黄瀬さんが、キッチンに立っていて
コーヒーを沸かしてたの
「おはよ、Aちゃん」
「…おはよ、ございます」
寝起きだから
まだ覚醒してなくて
ぽわ〜んっ
て、してる
彼はね
そんな私を見て
「顔洗ってきて、朝ごはん食べよ」
て、くすくす笑ってるの
「…はい」
寝起きを見られたの
凄く、恥ずかしい
いつも朝5時に起きてるのに
今日に限って寝過ごした
色んなことで疲れたってのもあるけど
凄く落ち着けて
ぐっすり眠れたの
.
顔を洗って戻ってきたら
彼は
「朝ごはんつっても、パン焼いただけなんすけどね」
鼻の頭をポリポリかきながら
薄っすら顔を赤くして
そう言ったの
「…ふふ、いただきます」
「召し上がれ。……パン、なに塗るっすか。バターと、苺ジャムしかないっすけど」
「じゃ、苺ジャムで」
「…好きなの、いちご」
「はい」
「そか、俺もたまに食べたくなるんすよね」
「…ふふ」
楽しい朝の会話
あの頃が蘇ってくる
黄瀬さんが笑ってると、私も嬉しくなって
色あせていた世界に
また、色がついていくみたいなんだ
.
「それじゃ、行ってくるっす」
「はい」
黄瀬さんは
モデルの仕事が朝からあって
もう家を出ないといけないの
「鍵は、ポストの中に入れといて」
「わかりました。…黄瀬さん」
「…ん」
黄瀬さんは
靴を履きながら
顔だけこっちに向けてくれたの
まだ彼に
ちゃんとお礼を言ってなかったから
「色々と、ありがとございました」
て、伝えたんだ
彼は
「また困ったことがあったら、俺を頼って」
と、言ってくれたんだけど…
その時にね
私の髪を触りながら
「…短いのも、似合ってる」
て、私の頭を
ポンポン
撫でてくれたの
昔、征くんがしてくれたみたいに
.
「それじゃ、行ってくるっす」
私は黄瀬さんに
撫でられたところを抑えながら
「…いってらしゃい」
て、見送ったんだ
彼と一晩過ごしてね
一緒にいたいと思った
どんなに居心地がよくたって
私が帰る場所は
あの家で
征くんなのに
…帰りたくないよ
貴方にどう接すればいいのか
わからないの
征くん、ごめんなさい。
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☆沙翔☆(プロフ) - 闇夜さん» GOGO!笑彼からも黄瀬くんに突っ走ってもらいたいですね^ ^でもこれからの黄瀬くんは優男だけじゃなくて、もっとグイグイ押して行ってもらいたい(*^^*) (2015年12月5日 20時) (レス) id: 743526c8f9 (このIDを非表示/違反報告)
☆沙翔☆(プロフ) - マシュマロホイップルさん» 泣かないでー!泣かせてしまったのは私ですが^^;でも考えてみると赤司様とコトミ…。考えたくないですがそうなってしまいますねorzですがその分黄瀬くんと幸せになってもらいたい! (2015年12月5日 20時) (レス) id: 743526c8f9 (このIDを非表示/違反報告)
闇夜(プロフ) - 黄瀬ぇぇぇぇぇぇ!いけ!ww (2015年11月20日 1時) (レス) id: 728ca8e5ec (このIDを非表示/違反報告)
マシュマロホイップル(プロフ) - 黄瀬君オチと見た瞬間涙が出てきました…赤司くんオチ見たかったです…(T_T)黄瀬君オチということは最後には赤司君とコトミは結ばれるということですか? (2015年11月19日 1時) (レス) id: dd2f34a65b (このIDを非表示/違反報告)
あまね - おもしろいですね!!続きが気になります〜(o^o^o) (2015年11月19日 0時) (携帯から) (レス) id: 743e4dcd22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆沙翔☆ | 作成日時:2014年4月5日 19時