髪型と不思議な気持ちの話。byミラ ページ9
「……うーん……」
「……何唸ってんの?」
「わっ!!びっ、びっくりした……!!」
手にしていた物を凝視しながら唸っていたら、突然後ろから声をかけられた。
その声に跳ね上がり、声の主を見る。
……そこには、その白髪に負けないくらい白い肌をした、いかにも病弱そうな少年が立っていた。
ミラ「ぁ……これ、どうしようかなって思って…」
アキ「…それ……リボン…?」
少年は怪訝そうな顔でそう言うと、少女が持っているリボンを片方の手でつまみ上げる。
少女が若干その行動に反応したことには気付かない。
彼が手にしたリボンは薄桃色をしており、ふちには白いレースがついていた。
アキ「……これどうしたの」
ミラ「あ、うん、ホワイトデーに友達からもらったお菓子のラッピングに使われてたんだけど…可愛いから、捨てるのもったいないなぁって…」
少し恥ずかしげに言う彼女の言葉に、少年は大して疑問に思う節もないらしくふーんと声を漏らす。
しばらく二人してどうしたものかと手元の薄桃色をした物体を見つめていたが、ふいに彼があ、と顔を上げた。それにつられて私も少し上にあるその整った顔立ちを見上げる。
アキ「……ミラさ、ずっとその髪型してるよな?」
予想もしない方向からの質問にたじろぎながら、それでもこくりと頷く。事実、私はメカクシ団に入ってから、左下で結んで前に垂らすという髪型をずっと続けていた。私の次に此処に入団した彼だから、そう考えてもおかしくない。
すると、彼はにっと笑って言った。
アキ「この機に髪型変えて、そのリボン、カチューシャがわりにすれば良いんじゃねーか?」
思わぬ提案に、思考が止まる。
彼はそんな私のことなど気にしていないかのように、
「ほら、こうやって……」
そう言いながら私の髪に触れた。細長い指が長年使われてきたゴムを取り、同時に長い黒髪がハラリと音もなく背中に落ちる。
そして、その髪にリボンを持った腕を通し、頭の左上の部分で結び始める。
意外に器用なその手つきといきなり近くなった顔に、半分意識がふっ飛びながらも見とれてしまう。
サラサラと揺れる髪、吸い込まれそうなほど深い瞳、常人よりも少し高い鼻、薄い唇。透き通るような肌。
その、全てを魅了するような不思議な感覚に、酔いそうになって下を向いた。
アキ「……よし、できた!!……っておい、ミラ?」
彼が私から離れた時には、既に私の顔はトマトのようになっていた。
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*LERELUA*(プロフ) - ういなさん» ミラ「だっ……大丈夫ユウ…ッ!?…………レッ、レミト…!!…ユウがびっくりしてるよ……っ!?」 (2013年4月1日 19時) (レス) id: ceecd53c0c (このIDを非表示/違反報告)
*LERELUA*(プロフ) - 凛さん» ミラ「うぅ、ありがとうリナッ……!!((涙」あ、私お気に入りに登録する時は評価も一緒に入れるようにしてるんだ(*´∀`) (2013年4月1日 19時) (レス) id: ceecd53c0c (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - リナ「続編を作って早々評価入ってるってどゆこと?」 (2013年4月1日 19時) (レス) id: 6d984d9a78 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - *LERELUA*さん» リナ「全然大丈夫だと思うよ〜?(*^^*)」 (2013年4月1日 19時) (レス) id: 6d984d9a78 (このIDを非表示/違反報告)
*LERELUA*(プロフ) - 凛さん» ありがとう!!……何かホントごめんなさい……。なんだあの締めは……orz (2013年4月1日 19時) (レス) id: ceecd53c0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:非公式メカクシ団 x他3人 | 作者ホームページ:
作成日時:2013年3月24日 18時