子供29 ページ29
座ってください、と座布団に座るよう促すと、恐る恐る二人は腰を下ろした。
私はお茶を入れて二人の前に出す。
総悟くんは私の隣に座り、私は机を挟んで冷や汗を流す二人に説明を始める。
「数滴含むだけ、なんだそうで。嫌いになりたいものを頭に思い浮かべながら飲むと、効果が現れるそうですよ」
瓶の裏に小さな文字で書かれている説明を読み上げる。
「え、何ほんとにそれ信用していいやつ?あのモジャ頭が寄越したやつだろ?」
目元をピクピクと痙攣させ、瓶を手に取る銀ちゃん。
「んなもん体ん中入れちまったらどうなるか分かんねぇだろ、俺は断る」
土方さんはキッパリとそう口にする。
やっぱり、この二人はそう言うと思っていた。
「そうですか…ちょっと残念です。あ、そうそう。それ美味しいお茶なんですよ、ぜひ飲んでください」
急に話をそらす私。
けど、何も違和感なく進んだ空気。
同時に二人は湯呑みをとり、口につけた。
「ま、お二人はそう断ると思ったので、事前に仕込んでおきました。お味、いかがです?」
思いっきり同時に吹き出す。
私と総悟くんは上手く避け、反応を伺った。
「思い浮かべてください、タバコとお菓子!」
これでどうなるのだろうか…。
期待を込め、そう叫ぶ。
すると
二人はガクンと頭を下げた。
意識がなくなったように、ピタリと動かなくなる。
私と総悟くんはお互いに顔を合わせ、首を傾げた。
「うっわ、気持ちわり!服ん中にんでこんなもん入れてんだ!!」
急に顔を上げた銀ちゃんは、懐から次々と出てくるお菓子を取り出した。
わ、わぁ…本当に効果が現れてる。
「誰だヤニ吸ったのは!!俺の服に染み付いてやがんじゃねぇか!!」
「何脱ぎ出してんでィこの変態」
自分の衣類の匂いが鬱陶しくなったのか、急に脱ぎ始めた土方さん。
勢いよく総悟くんの背中に隠れると、総悟くんは呆れた声を出した。
「これ、上手くいったっぽいですねィ」
コソコソっと、背中にいる私に総悟くんが囁きかける。
「そ、そうみたいですね」
その時。
「おい、そこの女出てこい」
「え」
冷たい銀ちゃんの声が響いた。
そこの女って、私だよね。
私しかいないもんね、女。
恐る恐る総悟くんの背中から出る。
「てめぇ、なんでこの部屋にいんだ。つか誰だテメェ」
「…へ?」
226人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます!!心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です!ありがとうございました!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは! 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます!続き頑張って書きあげますね!! (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました!めっちゃ面白いです!!続きが早く見たいです! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます!ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:お茶 | 作成日時:2019年4月9日 2時