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子供12 ページ12

「わりぃな…上手く守れねぇで」


「守ってくれてるよ…眠り姫の私の事運んでくれたじゃん」


「あ?誰が眠り姫だって?」


「私が起きる時お姫さんって言ってくれたでしょ?」


「口が滑ったんだよ。今、数分前の俺を殴りてぇ気持ちでいっぱいだ」


拳を握る銀ちゃん。

おかしくってクスッと笑ってしまった。


「ねぇ、銀ちゃん、ちょっとだけ顔近づけて」


起き上がる力が出ない私は、彼の胸ぐらを掴んでゆっくり自身に引き寄せた。

戸惑った様子で引っ張られる銀ちゃん。

手を離し、代わりに私は彼の銀髪に触れた。


「少し長くなっちゃったね…」


指を通し、遊ばせる。

サラサラ。光に当たると鉱石みたいに輝きを増す。

綺麗だな…。


「あああ、あの、Aさん?そろそろ離してくれます?」


「じゃあ、私を起き上がらせて」


笑ってみせると、すぐに銀ちゃんの腕が背中に回された。

慎重に、上半身だけ起き上がらせてくれる。


「はぁ…お前なぁ、一応俺も男なんだからな」


「次は、抱きしめて」


「はぁ!?さっきの聞いてたこの子!?」


「お願い…ちょっとだけでいいから」


声が、震えてしまった。

私の異変に気づいたのか、真顔になる銀ちゃん。

少し戸惑ったみたいだったけど、ゆっくり抱きしめてくれた。


もう、いいかな。

いいよね、先生。



「…っふ…ひっ」



涙が溢れた。

たくさん、たくさん。

たくさん、流れた。

このまま不安や恐怖も一緒に流れればいいのに。


もう誰も、殺したくない。

手に残る斬る感触が、付きまとってくる。

灰と化した夢が繰り返される。

手のしびれ、呼吸の乱れ、自分の姿が離れて見える気がする。

毎晩毎晩、私はパニック症を起こしていた。

睡眠が全く取れない。

死について考えれば、罪悪感しか生まれてこなかった。


「血の繋がりはねぇが、お前は俺の家族だ。家族に少しでも甘えてくれよ」


肌で感じる銀ちゃんの体温によって、私は落ち着きを徐々に取り戻していく。


「う、ん、…ごめ、んね…」


彼の肩に顔をうずめる。

銀ちゃんの匂いだ。

お日様の、暖かい匂い。

昔から何も変わってない。

変わっていないんだ。

だから、きっとあの頃の日常も取り返せる。









そう、私は彼の腕の中で信じていた。

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お茶(プロフ) - 狼さん» ご指摘ありがとうございます!注意書きにもありますが、原作と他は多々違うところがありまして、、!このお話の都合上3番隊の人数を増やしておりまして汗申し訳ありません汗 (2019年10月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
- すみません…今更なんですけど…子供扱い45のところの『三番隊の連中』ってあるじゃないですか…三番隊って…斉藤終しかいないんですよ…(コゴエ (2019年10月9日 20時) (レス) id: a55c73a212 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みのりさん» ありがとうございます!!これからも頑張ります!!ぜひ子供扱い2子供扱い3も見てくださいね! (2019年1月22日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みのり - 面白い展開ですねw。これからも頑張ってください!! (2019年1月22日 15時) (レス) id: f121079414 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - Fall ill appleさん» うわぁぁあコメントありがとうございます!訂正しておきます! (2019年1月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2018年8月25日 0時

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