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子供11 ページ11

どんちゃん騒ぎ、というのは私には向いてないみたいだ。

見事、敵陣に乗り込み勝利を収めた我らは、酒を煽りお祭り状態だ。

十六の私は酒に口を付けることすら出来ず、酔い狂う彼らを哀れむような目で見る。


「A、ちょっとこっち来い、お兄さんが相手してやっから」


顔を真っ赤にした銀ちゃんが、ちょいちょいと手招きする。

断るとのちのちめんどくさいので、私は素直に彼の隣に座った。


「んぁ、うっめぇ〜!Aもチャレンジしてみるか?」


瓶ごと差し出された酒。

受け取り銀ちゃんを見ると、ニヤリと笑っていた。

その表情は「飲めねぇだろ」とでも言うような、憎たらしい顔。

苛立ちを覚え、私はムキになり口をつけた。

三回喉を鳴らし、苦く不味い酒を飲む。


「プハァ…ふ、ふふふ、ふふ…」


彼は目を見開き、唖然としている。

笑いが込み上げてきて、酔いが回ってきた。


「お、おい…A、大丈夫か…?」


「なぁにがぁ?っヒック…まだ飲めますよ〜」


頭痛い。

ズキズキする。

意地張って飲まなきゃよかった。

銀ちゃんは心配そうに、青ざめた顔してるし。

じゃあ煽らないでよ、バーカ。


どんどんと意識が遠のいていく。

やがて視界は白くなり、そのまま私は意識を手放したのだった。




「お目覚めか〜お姫さんよぉ」


激しい頭痛に見舞われながら、私は目を覚ました。

個室に布団。

その上で寝ている私。

声がした方に首を向ければ、私の顔を覗き込む銀ちゃんの姿が。


「ったく…」


苦笑され、軽く頭を撫でられる。


「具合は大丈夫か」


「う、うん…平気」


「さすが冷酷な艶美様だな。回復が早ェわ」


「ま、冷酷ではねぇけどな〜」なんて呑気に言いながら、手ぬぐいを絞る。

それを私のおでこにソッと乗せてくれた。


「…松陽がいなくなったあの日から、人が変わっちまったように笑顔がなくなったお前を見て、少し心配してたんだぜ」


目だけ銀ちゃんに向けると、今までの彼とは思えないほど、優しく微笑んでいた。


「けど、今日酒飲んだお前見てよ、やっとガキらしくなったって安心したんだ」



心配、してくれてたんだ…。

冷酷なんて言われてるんだ、そりゃ自覚はあった。

けど、銀ちゃんが言うまでとは、思ってなかった。

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お茶(プロフ) - 狼さん» ご指摘ありがとうございます!注意書きにもありますが、原作と他は多々違うところがありまして、、!このお話の都合上3番隊の人数を増やしておりまして汗申し訳ありません汗 (2019年10月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
- すみません…今更なんですけど…子供扱い45のところの『三番隊の連中』ってあるじゃないですか…三番隊って…斉藤終しかいないんですよ…(コゴエ (2019年10月9日 20時) (レス) id: a55c73a212 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みのりさん» ありがとうございます!!これからも頑張ります!!ぜひ子供扱い2子供扱い3も見てくださいね! (2019年1月22日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みのり - 面白い展開ですねw。これからも頑張ってください!! (2019年1月22日 15時) (レス) id: f121079414 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - Fall ill appleさん» うわぁぁあコメントありがとうございます!訂正しておきます! (2019年1月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2018年8月25日 0時

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