隣人さん 9 ページ9
買い物済ませ二人で私のアパートへ。
もう既に時刻は10時を指していて。
この時間から夜ご飯は太るなぁと考えていたけれど、まぁそれも働く大人にとったら些細なことだ。
とにかく腹の虫を落ち着かせるべく早く食べたい。
買った材料をまな板の上に並べ袖をまくると、隣でフライパンを準備していたコネシマくんが私のおでこに一発デコピンをかました。
痛いでござる。
「座っとれ」
「やだ。めちゃくちゃ心配なんです」
「何のために来てやったと思っとんねん」
「そうよ理由を教えてよ。どうして急に作るなんて言ってくれたの?」
すると。
ゆっくり彼の手が伸びてきた。
それは私の下瞼を優しく撫でて。
眉を八の字にして心配そうな表情の彼にドクッと胸が鳴る。
「二日酔いなんやろ?それに目の下のクマ酷いで」
何度か親指のハラで触れられる。
体が熱い。
動けない私は心配そうな彼の瞳を見つめることしか出来なくて。
「へ、平気…だよ」
掠れた声でそう言えば手は離れていった。
し、心臓に悪い。
ドキドキとまだうるさい胸を抑える。
「そんな心配やったらそこで見とってええから。まぁ任せなさいよ」
ドンッと胸を張ったコネシマくんから目を逸らす。
こうして意識してるの、私だけなのかな。
気持ちを切り替え、とりあえず見守ることに。
チャーハン作りのアシスタントをさせて頂きます、Aです。
まずはネギを切っていくようですね。
…おおっと猫の手すら出来ていないコネシマ氏。
包丁は軽いリズムではなく不細工なリズムが響き渡っているぅ。
「ピピー、イエローカード」
「な、なんでや!!」
「見てられません、交代です」
ギュッと握られた包丁を渡してもらい、軽快なリズムでネギを切っていく。
「おぉ上手いな」
「普段から料理してるからね」
「俺のと全然ちゃうやん、見てこれ」
彼が手にしたネギは厚さもそれぞれ違うし綺麗な輪っかではなかった。
けどこれはこれで可愛いというか、なんというか。
「っふふ、上手だよ。それも入れようね」
「くっそ、格の違いを見せつけられたか…。いや本番はここやない!見てろよA、めっちゃ美味いの食わしたるからな!!」
「期待してます」
あれ、何だか楽しいぞ。
その後も、先に卵とご飯は混ぜといた方がいいと助言したり、油は多めでゴマ油の方が香りがいいとアドバイスしたり。
よく聞いてくれたコネシマくんは順調に調理を進めていった。
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ろぜ - 軽い気持ちで読んだら大好きになりました!!にやにやが止まりませんね。これからも頑張って下さい! (6月23日 17時) (レス) @page50 id: 3f33f1430a (このIDを非表示/違反報告)
ななし - この話すごく大好きです!読んでいてきゅんきゅんしました!これからも頑張ってください!! (2022年12月12日 19時) (レス) @page50 id: 9bdb69c685 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ - ううううううううううううう!!!!!!!しんじゃう!!!大好きです!!ありがとうございます!! (2022年3月22日 15時) (レス) @page50 id: 8a217b576f (このIDを非表示/違反報告)
レイ - えrいけどシッマかわえぇぇぇぇ!!!!!!!!!!! (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 最高かよぉ〜〜〜 (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2020年4月2日 21時