隣人さん １０ ページ10
その後もちょくちょく横から口出しをしていた。
けど嫌がらず寧ろ素直に聞いてくれて、全て指示通りに動いてくれた。
飲み込みが早い彼はサクサク作っていって。
けど所々に出るガサツさや不器用さが愛らしかった。
「どうやったら丸くなるん」
「お茶碗に入れてギューッと詰めるの。それで平たいお皿に出せばそれっぽくなるよ」
「見た目大事やからな！やろやろ！」
少年か。
ツッコミたくなる気持ちを押さえ込みお茶碗を二つ用意する。
それにのっちゃう私も私だなこれ。
見事に中華料理屋でよく見かける形に成功したチャーハンは、めちゃくちゃ美味しそうだ。
芳ばしい醤油の香りが食欲をそそる。
「うぉぉお！マジで出来た！A天才か！？」
「大袈裟だよ、早く食べよ」
興奮しキラッキラの目で喜ぶ彼。
何だか嬉しそうだ。
出来たての品を置き向き合うように座った。
一日お疲れ様、と麦茶で乾杯。
「いただきます」
レンゲを手に持ちチャーハンをすくう。
パクッと食べて咀嚼すると、ふわりと最高の風味が口の中に広がる。
コネシマくんといえばまだ手をつけずに、こちらを不安げな目で見ていた。
「美味しいよ、すんごく」
「ほ、ほんま？」
彼らしくない弱々しい声にキュンと胸が鳴る。
図体も態度も普段からデカいのに、こうして縮こまってる姿を見ると可愛くて仕方ない。
「本当だよ。ほら、食べてみて」
おずおずと一口食べたコネシマくんは、すぐに目を輝かせた。
「よかったぁ…」
自信満々に何か言ってくるかと思ったのに。
安堵の一言が漏れたのを聞き逃さなかった。
相当不安だったのかな。
それでも強がって作る！なんて言って。
…優しいな、コネシマくんは。
「コネシマくんの手料理初めて食べたけどすごい美味しい」
「ほぼお前の指示通りやった結果やけどな。しかもチャーハンやし」
「でも作ったのはコネシマくんじゃん。また作ってくれる？」
「次はもっとハードル高いの作るわ」
「やったぁ、私イタリア料理がいいなぁ」
「せめて国内にして頼むから」
会話が弾む。
深夜にこんなに盛り上がって二人でご飯を食べるなんて、なんて幸せなんだろうか。
もうこの時点で私の気持ちは、彼の事を気になっている
…ではなく、コネシマくんを、一人の男として「好き」になっていた。
彼の魅力を知る度に。
彼のことを知っていく度に。
その気持ちは増してくばかりだった。
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ろぜ - 軽い気持ちで読んだら大好きになりました！！にやにやが止まりませんね。これからも頑張って下さい！ (6月23日 17時) (
レス) @page50 id: 3f33f1430a (このIDを非表示/違反報告)
ななし - この話すごく大好きです！読んでいてきゅんきゅんしました！これからも頑張ってください！！ (2022年12月12日 19時) (レス) @page50 id: 9bdb69c685 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ - ううううううううううううう！！！！！！！しんじゃう！！！大好きです！！ありがとうございます！！ (2022年3月22日 15時) (レス) @page50 id: 8a217b576f (このIDを非表示/違反報告)
レイ - えrいけどシッマかわえぇぇぇぇ！！！！！！！！！！！ (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 最高かよぉ〜〜〜 (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶
| 作成日時：2020年4月2日 21時
