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アサガオの花言葉5 ページ5

「何してたんだ」


煙管を取りだしフーっと煙を吐く晋助。

質問するように私の顔に吹きかけた。


「月を見てたの。ほら、今日は満月だから」


「そうか」


月に視線を戻しそう言うと、彼は興味無さそうに呟く。

チラッと晋助を盗み見ようとすると、しっかり目が合ってしまった。

射貫かれたように動けなくなる。


「今日から俺の布団で寝ろ」


「…は?」


「聞こえねぇのか。俺と一緒に寝ろって言ってんだ」


やっぱり、そういう事だったのかな。

結局私がここに連れてこられた理由は。

少しだけ、晋助に対して失望してしまった。

私は一生こうして身体を食われる運命なのだと。


「分かった…」


そうボソッと諦めたように呟くと、急に手を取られる。

無理やり立ち上がらされると、そのまま寝室へと連れていかれる。

晋助が引戸を左へと引くと、二つ離れて並んでいたはずの布団はそこにはなく、一つだけポツンと敷かれていた。

私がお風呂に入ってる間に片付けられたんだろう。

何も言わず、晋助はその布団に私を押し倒した。

覚悟を決めふうっと息を吐く。

すると。


晋助は覆い被さるように肌を寄せ、私を抱きしめた。


その行為にビックリし、思わず「えっ…」と声を漏らしてしまう。


「てめぇは何も聞かねぇし喚かねぇから気が楽だ」


耳元で晋助の低く甘い声が囁かれ、電流が駆け巡ったように痺れる。

私の肩に顔を埋める晋助。

それに満足したのか今度は距離を離し、横向きにさせられる。

晋助も肘を立て横向きに寝転がると、私の顔を見ようとする。

何十人にも抱かれてきた私が、初めて顔を埋めるように隠す。

身体全体が熱くなっていき、今晋助に顔を見られたくないと。


「こっち向け」


ダメだ、向けない。

首を横に振ると、今度は頬に手が添えられる。

そっと顔を上げるようにその手によって誘導されると、潤み濡れた晋助の瞳が揺れていた。


「な、なに…」


「ッハ、怯えてるってわけじゃねぇな」


私の顔を見て笑う晋助。

そしてそっと、私のおでこにキスを落としたのだった。

カーッと胸が熱くなっていく。


「今度は口にしてやろうか?」


ニヤリと怪しく笑った晋助。

髪を耳にかけられ、また冷たく気持ちのいい晋助の手が頬に触れる。

人差し指で輪郭をなぞられ、背中がゾワゾワっとした。


「…」


晋助はそんな私を見て何も言わず、手を戻した。

優しく抱き寄せると、そのまま綺麗なまつ毛を伏せ、眠ってしまったのだった。

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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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お茶(プロフ) - チノちゃんさん» ひゃぁぁありがとうございますうう泣 (2020年7月20日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
チノちゃん(プロフ) - 凄く良かったよぉぉぉぉお (2020年7月20日 1時) (レス) id: 5e7e485832 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - きょこさん» わぁぁありがとうございました泣泣 本当に嬉しいです、、、!! (2020年6月28日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
きょこ - 高杉〜!!!かっこよすぎる!おもしろかったです。もっともっと読みたい…キュンキュンしまくりでした。ありがとう^_^ (2020年6月28日 17時) (レス) id: 5129d38d73 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みきゃんさん» 了解しました!この作品の番外編をいずれ作ろうと思いますm(_ _)m (2020年6月19日 18時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2020年3月6日 13時

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