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アサガオの花言葉 15 ページ15

来島また子に「恋」を教えてもらった次の日の夜。

眠らずに晋助の帰りを待っていた。

確かめたい、本当にこの想いが恋というものなのか。


けど、彼はなかなか帰ってこなかった。

何度も部屋の外に出て廊下を見渡したが、影一つすらない。


「…遅い」


朝帰りなんて珍しい事じゃない。

それに今日は万斉も来島また子も武市変平太もいない。

また何かと闘っているのだ、と。

そんな日はさっさと寝てしまおうと布団に歩みを進めた瞬間。


「し、晋助様!!!」


男の叫び声が戦艦に響き渡った。

晋助の部屋を飛び出し声の主を見れば、晋助の部下で。

叩き起されたであろう艦内の乗員も急いで階段を下りていった。

嫌な予感がする。

晋助には出てはいけないと言われていたけど。

気づいたら裾を捲りあげ、裸足で駆け付けていたのだった。


そして、そこで目にしたのは。

血だらけの晋助だった。

その姿を見た瞬間、心臓を強く握り潰されたような感覚に陥る。

目の前が真っ白になり、血の気が引いた。


「晋助!!!」


名前を呼び彼に抱きつく。

「この女にしてんだ!!」「今すぐ離れろ!!」


「でないとお前が死ぬぞ!!!」


…え?

群がっていた男たちが私にそう怒鳴り散らす。

晋助が私を殺す?

チラッと晋助の顔を覗くと、瞬間私の喉に刀の先端がヒヤリと当たった。

ゴクリと喉を鳴らし晋助の瞳を真っ直ぐ見る。


「晋助、私だよ…」


冷や汗が頬をつたった。

死んだ魚の目をした晋助はグッと刀に力を入れたが、私だと認識すると刀を下ろす。

そして私を抱き締め返したのだった。


「部屋から出てきてんじゃねぇ、馬鹿野郎…。戻るぞ」


「うん」


唖然とした空気が漂う。

しかし構わず私は晋助を支えながら部屋へと向かっていった。


「し、んすけ様の…手当を…」


後ろから来島また子の掠れた声が聞こえる。

彼女を見れば晋助と同じようにボロボロで。


「分かったわ。貴方もすぐ手当を受けて」


そう笑いかければ、彼女は安心したように倒れた。





どこにで何をしていたのか、誰と戦ったのか、誰にこの傷をつけられたのか。

そんな事は一切聞かず、万斉から教わった知識で晋助の怪我の手当を行っていた。

晋助もただジーッと私の手元を見るだけで、何も言わなかった。


「痛くない?」


「…あぁ」


「少し我慢してね」


包帯をキツくするが、晋助は表情一つ変えず冷酷な瞳で傷口を見ていた。


「おしまい」


「…」

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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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お茶(プロフ) - チノちゃんさん» ひゃぁぁありがとうございますうう泣 (2020年7月20日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
チノちゃん(プロフ) - 凄く良かったよぉぉぉぉお (2020年7月20日 1時) (レス) id: 5e7e485832 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - きょこさん» わぁぁありがとうございました泣泣 本当に嬉しいです、、、!! (2020年6月28日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
きょこ - 高杉〜!!!かっこよすぎる!おもしろかったです。もっともっと読みたい…キュンキュンしまくりでした。ありがとう^_^ (2020年6月28日 17時) (レス) id: 5129d38d73 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みきゃんさん» 了解しました!この作品の番外編をいずれ作ろうと思いますm(_ _)m (2020年6月19日 18時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2020年3月6日 13時

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