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「王がいるからこそ国は成り立つ。そして王が4人揃って世界は保たれる、つまりは神とイコールの関係になるんだ。」
紙に書かれる簡易な図を見るも本当にこの世に神がいるのかも疑わしい
信じるかは人それぞれかもしれないけれど
何故フゥリが選ばれたのかはまだ分からないが危険は山ほどあるだろう
しかし、本題はここからだった
「少し前に世界のバランスに異常がきたした。何者かが神の座を奪おうとしている。」
「神の座……？そんな簡単な話なのか？」
千鳥の問いに獅は瞳を鋭くさせる
獣の眼で獅は言った
「神の座を奪うには世界をねじ曲げることになる。……つまり、その者によって俺達王の器は殺される。」
***
獅が淡々と語り帰った後で目を覚ましたフゥリに全てを話したがフゥリは優しい笑顔でそっか、とだけ答えた
豹は頭を冷やすと出ていき、千鳥は仕事の為に出掛け、虎は酷く落ち込んでいた
亞琉斗は重い空気に腹が立ちなにも言わずに孤児院を出た
「誰が死のうが何が奪われようが、なんもねぇ俺には関係無ェ。」
孤児院の小さい子供達には悟られぬように隠した
その筈だったが、13歳天才神童の翼は自室で状況を把握しており三人で話をまとめていた
翼の目の前にはゼオという悪魔、フィオラという天使がいる
どちらも【魔】出身であり国でもトップの二人は翼を主人としてこの孤児院で暮らしている
「正直に言おう、翼。私達はフゥリが【人】の王であることを知っていた。」
「お前を主人に選んだのもこれが理由の一つだ。」
表情を変えぬまま眼鏡を掛け直す
彼は大体分かっていたらしい
「僕が知りたいのはそこじゃない。神の座を狙う人についてだ。君たちの国が最近荒れてるらしいけど関係があるんじゃないの。」
フィオラは美しい顔をしかめて、ゼオは肯定の意味のニヤリとした笑みを浮かべる
「その通りだ、【魔】の王は今行方不明になってんだこれがよォ。」
「……あれ、？」
「どうした？」
「僕はてっきり亞琉斗が【魔】の王だと思ってた。さっきのフゥリさん達の頭痛は偶然とは言い難いでしょう。」
「私達は王の顔を知ってる、そもそも亞琉斗は人間であり幼少期は此処に居ただろう。」
納得のいかない顔で翼は眉間にシワを寄せた
情報があまりにも少なすぎるがフゥリのことはゼオとフィオラがいる限り大丈夫なのだろう
「あーぁ、悩んでるねー。」
何かがそっと姿を消した
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作者名：灰猫 | 作成日時：2016年12月7日 5時
