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・学内に居る間は身だしなみ程度の、
最低限の化粧で済ませなさい
・袋の中のアンダーウェアを
毎日必ず着用しなさい
此れ等を必ず守って頂戴。
あと、この学内の教職員は男性ばかりだから、
購入し辛い物があったらここに連絡しなさい。
tel ◯◯◯-◯◯◯-◯◯◯◯
アタシ専属の女性マネージャーだから安心して。
──、最後に ひとつ。
アンタが女だって事は、誰彼構わず
あまり言いふらすんじゃないわよ。いいわね?
…そう綴られた最後に、vilと。とても綺麗なサインが書かれていた。
「あの女の人、ヴィルって名前だったんだ…」と、今日鏡舎であった事を、遠い記憶のように思い出しながら呟いた。
………と いうか、待て待て。ちょっと待てよ?
カードをもう一度目で読み返し、持つ手がブルブルと震えた。
『せ、専属のマネージャーって何…?どういう事??
あの美人、一体何者……!?』
途轍も無い美人だとは思っていたが、まさか本当にモデルか芸能人か何かだったのか…!?そんな方に跪かせ、手当てなんかさせてしまったなんて……!
全身に戦慄が走り、カードを持ったまま驚愕の表情で硬直した。そんな私を余所にグリムは、籠の中を乱雑に掻き回しながら、「食いモン…ツナ缶…うゔー…無いんだゾ…」と悲しそうに嘆いていた。
『ああグリム…!瓶が割れちゃうからあんまり乱暴にしちゃダメ!』
籠を持ち上げ、グリムから遠ざける。グリムは、食べ物が無い事にいじけたまま、その場に座り込んでいた。
『…取り敢えず、これは私宛てみたいだったし…受け取っておこうかな…』
本当はこんな高価そうな品々返さなきゃ駄目なんだとわかってるけど…お金も身寄りも無い身として、衣類も化粧品も喉から手が出る程欲しい物たちだ…という事で、有り難く使わせて頂こうと思った。
それにしても…綺麗で、背も高くて、良い匂いで、優しくて、心遣いも出来て……凄い人だな。ヴィルさんって…
今日はもう遅いし、明日エース達にヴィルさんの事を聞いて、お礼を言いに行こう。
『さ、寮に入ろう。お風呂沸かすよ』
グリム「ふな゛〜〜…ツナ缶……」
籠を持つ逆の手でグリムを抱き上げ、寮へと戻った。
──数時間前……、
━━━ 鏡舎 ━━━
『すみません、私行かないと!!
手当てどうもありがとうございましたー!』
ヴィル「あ!ちょっと待ちなさい!」
アタシの静止を聞く間も無く、彼女は急いで鏡舎を飛び出して行った。
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ぬ(プロフ) - 平凡な人さん» コメントありがとうございます(*^^*)楽観的でちょっと抜けてる監督生ちゃんと、愛重めのユウくんの今後も楽しみにして頂けると嬉しいです! (2022年7月29日 18時) (レス) id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - おれんじさん» お返事遅くなりすみません!こちらこそいつもありがとうございます!(ᵔᴥᵔ) (2022年7月29日 18時) (レス) @page36 id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
平凡な人(プロフ) - ぬ、主ちゃんがかわゆいッッ!!ユウくんが出てきたのにはびっくりしました!ヤンデレ…ですかね?いつもありがとうございます!次も楽しみに待っておきますね!更新お疲れ様です! (2022年7月29日 15時) (レス) id: 5666188338 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ - お知らせ了解です!いつもありがとうございます! (2022年7月25日 21時) (レス) @page36 id: 1b74a0ce77 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - おれんじさん» いつもありがとうございます(*^^*)コメント頂けてとても励みになります!来週も更新出来るように頑張ります! (2022年6月10日 17時) (レス) id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬま | 作成日時:2022年4月18日 10時