【あんスタ】アンティークとマリオネット

人形が20。 ページ33

氷咲のライブ___そこには『trickster』のメンバーだけでなく、他のユニットの人達も来ている。


その中で、ステージからは遠い所で生徒会のメンバーが見ていた。



｢うげっ、なにあいつ！ぼく達と同じくらい人気とってるんだけど！？｣


｢坊ちゃま、落ち着いてください｣


｢だから、ぼくに気安く触るなっ！！｣



Aのライブを見て、イラ付いている『fine』の姫宮桃李。

そして、桃李の執事であり、桃李と同じく『fine』に所属している伏見弓弦。


｢お前ら、ここはあくまでも講堂だ。
静かにしておけ｣



｢ふふっ、彼女の力は相当な物だからね｣



その隣には、生徒会副会長、『紅月』所属の蓮巳 敬人。

生徒会会長、『fine』のリーダーの天祥院英智。


この4人で彼女の単独ライブを見ていた。


｢でも、彼女はまだ本調子ではないね。
やっぱり２ヶ月休んでいたからかな？｣


｢...ふ〜ん｣


気に入らない。そうでも言うように桃李は不貞腐れながら、Aを見ていた。


｢何か、Aって奴。
あいつ変だよね、人形みたいじゃない？｣


｢そうでしょうか、ですが、とても綺麗で完璧と言う感じで...。｣


初めてAのライブを見る２人の声を聞きながら英智は少し微笑んで言った。


｢確かに、彼女のライブは半年前もあのような感じだったね

違うのは、表情が＿＿＿＿＿＿無くなってしまった事。｣


｢...っ｣


隣に居る蓮巳は少し悔しそうに唇を噛んでいた。



｢僕達が奪ってしまったのだけれど...ね｣


２人はそれから、少しかなしそうにAのライブを見ていた。


この単独のライブは彼女にとって最後の、たった1人で踊るライブだった。

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