◇◆ Have a sweet time ◆◇ (ページ8)

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櫻井先輩には、彼女がいない

本人の口からそう聞いた時には、幻かと思った

だからその噂を嗅ぎつけた女の子たちは

「我先に」と先輩にアプローチ。

もちろん後輩は女の先輩のようにグイグイいけるはずもないから

１年生の女子はみんな、テニスボール拾いが話しかけるチャンスってわけ。

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ナナ「まあウカウカしてられんのも今のうちだよ？もう1ヶ月後は新人戦なんだから」

「そっか、新人戦......」

大学に入って初めての公式試合、新人戦。

新人戦の成績でレギュラーのメンバーを数人抜粋することもあって、この試合にはサークルの先輩も目を光らせてくるらしい。

「レギュラー......入りたいなあ」

ナナ「入りたいんじゃなくて、入って櫻井先輩に近づきたい、でしょ？」

「....ばれた？(笑)」

ナナ「ほんとゾッコンだねー！」

だって、レギュラーに入ったら

きっと櫻井先輩と練習でペアだって組めるだろうし

何より、たくさんお話しできる.....

ナナ「でもさー、バレンタインに初試合とか....リア充なめてるよね(笑)」

「ほんとにねえ.....なんでよりによって２月１４日....」

ナナ「あ、でもAはいいじゃん、櫻井先輩と一緒に過ごせるんだよ？」

「ちょっと//そんなんじゃないからっ！」

ナナ「なんでよ(笑)櫻井先輩もうちらの試合観に来るんでしょ？" 一緒に過ごす "....じゃん？」

「まあ、そうだけどっ//.......そっかあ、バレンタイン、かぁ.....」

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「ナナ、決めたよ私」

ナナ「.....うん？」

「私、新人戦で１番いい成績とって、櫻井先輩に本気でちゃんと告白する！！」

ナナ「まあ、うん、頑張って！応援してる！」

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それから1ヶ月、私は死に物狂いで練習した

買ったばかりのピカピカのラケットがくすむくらいに

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「「「好きだよ」」」

そうやって本気で先輩が想って言ってくれますように

そう願ってボールを打ち続けた

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すべては、大好きな先輩に想いを伝えるために

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