【刀剣乱舞】カ ミ カ ク シ

よんじゅうさんぼん。 ページ43

三日月さんが

どこかへ出かけて行った。










何処に行くの、と尋ねると
そこまで遅くはならん、と誤魔化された。














なので





「……」














この家……に私だけしかいない。







家なのかどうかすら怪しいが。


























「__暇だなぁ……」






そう、暇なのだ。










生憎本などを読むようなたちではないし
どちらかといえば鬼ごっことかを好んでいる。










「……誰かいないのかなぁ……」














小さく呟くも聞こえるのは風の吹き抜ける音だけ。










__言わなきゃよかった。







そう後悔しても虚しさは消えない。






















「__おや、珍しい


ここに人がいるなんて」














突然背後から声がかかり

バッと逃げようとするが










まだ足が上手く動かず
一歩も前に進めないままだ。














「……足が、悪いのかい？」






そう言ってその人が足に手を触れた瞬間

















足に引き裂かれるような激痛が走る。









「っ！！！？」










歯を食いしばり痛みに耐えようとするが
今まで経験したことのない痛みなど
堪えられるわけがなく










ポロポロと涙が溢れる。





















__三日月さんが触った時は何も無かったのに……















そう思いながらその人の手を見ると

少し血が出ていた。














「__っ血が……！」






「気にしなくていい。


大丈夫だ」









そうは言ってもそこそこ血の勢いはある。
もう少ししたら畳に垂れるだろう。














「あ……」





もしかしたら、とワンピースのポケットを漁ると
私の目当てのものは入っていた。










いつも入れておいてよかった……。


















そう思いながら






「__ちょっとごめんなさい」










そうつぶやいて

彼の手に付いた血を
私の薄い水色のハンカチで拭った。















__血が付くけど洗えばいいもん。






それより怪我した人をいたわらなきゃ。

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