序章�� ページ6
「お、おじさん……まさかだけどさ、その山道を登ったり……しないよね？」
「ん？ あぁ、この先だけどどうかした……」
そこまで言いかけたところで、おじさんとバックミラー越しに目が合う。
その様子を見てか、母さんと父さんが「あ」と声を上げる。
目の前には、大きな森が続いていた。
田んぼはいつの間にか途切れており、周りは生い茂る樹や草に囲まれた、まさに臨場感溢れるスリリングな道路だ。
そしてその道路の向こうには、急な坂道が続いている。
さらにその先は早速カーブにでもなっているのか、道路は見当たらずただ樹海の入り口が広がっていた。
「……拓海くん、歩いて行く？」
「いや、ここは車道で一本道だから危ねぇ。それにここから人間が登ったら結構掛るぞ」
その言葉に酷く落胆する。
終わってなどいなかったのだ。
車に酔わない人間は知らない。
聳え立つ山道の殺人的威力を。
そりゃあもう、高速道路なんか可愛いものだ。
例えるならそう、『地獄』。
永遠の業火で焼かれるくらい、いやそれ以上の苦しみ。
ただでさえやわな三半規管を、握り潰すようにグチャグチャにしてしまう。
「マジかよ……」
そう呟くのとノータイムで流れ出したアニメのオープニングソングをBGMに、俺は静かに目を瞑り、盛大に溜め息をつく。
もうやめて欲しい。
楽しい楽しいサマーバケーションを『アレ』なしで過ごすことは許されないのか。
そう念じながら、俺は宿敵である目の前の山道に臨むのであった。
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槊鵺(プロフ) - とっても素敵な小説ですね！こんな作品が占ツクに広まってほしいものです。是非参考にさせていただきたいとても良い作品だと思います！お忙しいとは思いますが更新頑張ってください！ (2014年11月20日 17時) (携帯から) (
レス) id: 14b4575316 (このIDを非表示/違反報告)
大気(プロフ) - 桜狼さん» ありがとうございますまじですか！！！！？ まじですか！？ あ、これしばらく捨ててたんですけど今から頑張ります！！ます (2014年9月29日 19時) (レス) id: 077743fc46 (このIDを非表示/違反報告)
桜狼 - 初めまして。初めてこの小説を読みました!!凄い面白いです!!更新楽しみにしています!頑張ってください! (2014年9月29日 10時) (レス) id: 2d5d273768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大気 | 作成日時：2014年8月7日 17時
