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指輪 ページ4

ある日のこと。
外界の灰や砂に含まれる極微小なガラスの欠片が、風か何かで吹き飛ばされ、口腔に入ってきた。胃、そして小腸まで流されたどり着いたその微量のガラスは、本来ならば異物として排泄へ回されるところを、あまりにも綺麗なものだったため一部が切り出され、そして保管された。
――

「ねえ、だから、A番に見せてもらいましょう?1877番さん」
「ええ、そうしましょう。それがいいわ、1777番さん」

くすくすと、金と銀の髪をそれぞれ揺らし、二人の赤血球は肩を並べて道を進んでいった。


【狐目の姉妹】


いつも通りに酸素を配達し終わって、二酸化炭素を肺へ運ぶ途中。長い登り坂の手前で、私はグルコース休憩を取っていた。
今日は少し肌寒かったので、温かいたい焼きを頬張りながらベンチで休む。ここは休憩を取る人が多いポイントで、屋台の種類もいっぱいあり選び放題だ。
…かと言って、食べ過ぎて太りでもしたら毛細血管を通れなくなる。体型管理は赤血球の基本、これだけ食べたら配達作業を再開しよう!
そう思いながらゆっくりとたい焼きを咀嚼していたとき、「A番?」と私を呼ぶ声がした。

「よかった、すぐ見つかったわ」
「相変わらず甘いものが大好きなのねぇ」

雑踏から現れたのは、長めの金の髪と銀の髪が目を惹く、同じ班の女の赤血球二人組だった。二人ともよく似た狐目でつねに一緒にいるため、「狐目の姉妹」と周りからは呼ばれている。
本当の姉妹ということはきっとないだろうから、どちらが姉ということはないのだけれど、金の髪の方がBD-1777番で、銀の髪の方がBD-1877番だ。二人とも私が新人の頃は先輩という立場で、同僚としてやっていくことになった後も、世話焼きのお姉さんのように私のことを色々と気にかけてくれている。

「御機嫌よう。ご結婚おめでとう、だったかしら?」
「あら1777番さん、A番はまだ婚約だけでしてよ。ねえ?」
「あら、じゃあその左手の指輪は婚約指輪というもの?」
「そうそう。それを見に来たのでしたわ。ねえA番、その指輪を見せてくださらない?」

前言を撤回しよう、この二人はただ単に噂好きで首を突っ込みたがりなのだ。

謎の家系図→←■人物とちょっとした設定



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まじかるれいん☆ - オザさん» ヘイ!気に入りました!即興ってところがすごい(°▽°) (2018年9月4日 21時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
まじかるれいん☆ - オザさん» ヘイ!気に入りました!即興ってところがすごい(°▽°) (2018年9月4日 21時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - オザさん» アルミ缶にするわ← うん!よろしくね〜 (2018年9月3日 21時) (レス) id: 626aa5da43 (このIDを非表示/違反報告)
オザ(プロフ) - 水無月さん» ありがとう!手を怪我して赤血球さんが大変なことになるので握り潰すのならアルミ缶くらいにしておいてください…今作もよろしく!! (2018年9月3日 20時) (レス) id: 5d539585d0 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 続編おめでとう!いや、今回も尊すぎて缶を握り潰しちゃいそう…w 更新頑張ってね!楽しみに待ってまーす! (2018年9月3日 19時) (レス) id: 626aa5da43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オザ | 作成日時:2018年9月2日 17時

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