【おそ松さん】ろくにんでひとつ？ 【能力松】 【男主】

お兄様の登場 ページ11

目を開くと大きな腕の中に俺は納まっていた。





「やぁっぱり邪魔してくれるのね？カラ松君？」






カラ松「名前を知っていただけているとは心外だな。こんな誘拐犯に名前を覚えられるなんて、とても不愉快だ。」





「そりゃあどーも。ってか俺誘拐犯じゃねえし！！誘拐したの俺じゃなくて東郷さんだし！！そのころ俺まだ子供！！何にも知らなかったんだって！！」






カラ松「無駄口を叩くな。向こう側の人間であることは変わりない。今すぐおそ松を渡せ。そうすれば、すぐに楽にしてやる。」





目から火花が出ているみたいにカラ松とAでバチバチいっている。



・・・・俺は、松野家に戻りたいのか？




松野家に戻ったらたぶん今の生活よりは、ちゃんと弟とも喋れるし数段良いものになるだろう。




でも、Aは？





こんなに良くしてもらったAを置いて、東郷さんのところを抜けるわけには行かない。




でも、きっと、逃げるチャンスがあるのなら、Aはこう言うんだろうな。



―――――「俺のことは気にせず逃げろ。・・・これは最期の命令だ」


って。




「おそ松！！壁に張り付いてろ！危険になったら俺を呼べ！！」



現実に戻った俺はAのいう通りに壁を背にして二人を見た。



俺の目の前に立つAは、悪役なのだろう。



でも、俺には俺を守ってくれる正義の味方みたいに感じた。




カラ松「おそ松！！コイツの言う事に従う必要は無い！！俺と一緒に来い！！」




「ふぅ・・無駄口叩く必要があったらこっちを見たらどうだぁ！！！！」




カラ松とAが思いっきり対峙する。



その空間の空気が明らかに舞い、風が起きた。




でも、俺にはわかった。



なにか、違う風が、俺に吹いている。




この風の正体は知っていた。




なぜ、俺の味方をするのかはわからない。




東郷さんから教えてもらえていないからかもしれない。



はたまた、ただの気まぐれかもしれない。




だけど、俺の中の能力は確かにこう呟いた。




――――――今なら、俺を十分に使えるぞ。






___________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


？？「こんなこと言ったんだから勝てよ。・・・・それと、言ったとおり、罪は擦り付けさせてもらうから。」

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