act 172 『悪者』 【コノハside】 ページ13
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―――この感じを壊したら、きっと僕は悪者。←
……いや、シンタローは、
そんな決めつける人じゃないかな。
僕は二人がソファに座る様子を、
ドアの陰でそっと見ていた。
今は、こうして見守っているのが一番だって。
コノハ「……もうちょっと寝たかったんだけどな」←
眠たい目を必死にこじ開け、
時折ゴシゴシと擦ってみる。
眠気は変わらないが、仕方無い。
しかし先程シンタローが、
誰かの部屋に向かったらしいが……何の用だろう。
そしてすぐ後にヒビヤ達も出て行ったらしい。
ヒヨリ捜しなら、僕も手伝いたいのだが……
「―――コノハ何処だよ」
とリビングの方からシンタローの声が聞こえた。
……僕は此処だ、
でも気付かれていないのはまぁ……ドアの陰だし。
シン「……一緒に薬買いに行ったのか?」
あぁ、ヒビヤ達が出て行ったのはその為か。
「薬」と言う事はやはり風邪をひいたんだ。
……僕なら薬は要らないかもしれない。←
そんな事を考えていると、
やはり限界が来てしまったようだった。
コノハ「……ん……此処で寝るのもなぁ……」
ドアの陰を音を立てないよう、
ゆっくりとすり抜け、廊下を匍匐前進で移動する。
態勢はキツくないが、睡魔が―――。
―――と言う所で、僕の意識は途切れた。
「―――ノハ……!コノハッ……!!!」
……え、と……僕は、今何して……?
「……ねぇ……!起きてよっ……!」
そうか、僕は寝てしまっていたのか。
頬に冷たいものが押し当てられているのは、
僕が廊下でうつ伏せのまま寝てしまったからだろう。
だとしたら、僕を起こした声は一体……?
『―――何でっ……!』
……この声、以前僕と泣きながら話していた子かな。
でも、あの子は携帯に入っていたような気がする。
取り敢えず起きなければと、
僕は床に手を付き、ゆっくり起き上がった。
エネ『……コノハッ……!!!良かった……』
今にも泣き出しそうな表情の青いあの子が、
携帯電話の中でフワフワと浮いていた。
その携帯は僕の頭の隣にポツンと置いてある。
コノハ「……どうしたの?」
エネ『……ううん、大丈夫……』
目に溜まった涙をジャージの裾で拭い、
安堵の笑みを見せながらそう言う青い子。
―――その笑顔は僕にとって、とても懐かしく思えた。
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貴遥@カゲプロ、しゃちょー厨(プロフ) - 伸夜さん» 意外すぎるCPが居たりしますよねwとにかくありがとうございますっ!! (2015年7月18日 20時) (レス) id: 5dc01a6eeb (このIDを非表示/違反報告)
伸夜 - クロハとアヤノ…。なんかいいかも…!!(笑) 今っ更ですが完結おめでとうございまぁす!! (2015年7月18日 19時) (レス) id: 506cf8dd63 (このIDを非表示/違反報告)
貴遥@カゲプロ、しゃちょー厨(プロフ) - ユリさん» ありがとうございますっ!!また次のも作りますんで…って言うかもう一つ掛け持ちあるんですけどね…w (2015年5月10日 20時) (レス) id: 5dc01a6eeb (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 無事完結、おめでとうございました!お疲れ様です! (2015年5月10日 20時) (レス) id: 625da81c3f (このIDを非表示/違反報告)
貴遥@カゲプロ、しゃちょー厨(プロフ) - ばかっぽいどさん» いえいえ!気にしないで下さいっ!!家デート、気に入っていただけましたかね?w…それも出来る限りなんで、こちらこそすいませんが… (2015年4月28日 20時) (レス) id: 5dc01a6eeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:貴遥@カゲプロ、しゃちょー厨 | 作成日時:2015年3月8日 12時