【if】こんなセカイ。そんなセカイ。あんなセカイ。どんなセカイ……？

日常 ページ2

「ほら、お前ら出かけるぞ」

今日は町内パトロールの日。とはいってもちょっと遊んでから帰ってくるだけだけど。

「あ、キド〜。マリーが寝てるんだけど」

「あ〜まいったな。一人にするわけにもいかないし……」

ソファに視線を向けると、さっきまで本を読んでいたマリーちゃんが寝てることが分かった。嬉しそうな顔をしながら寝てるから起こすのには勇気がいるかも。

「じゃあ俺が残るっすよ。皆は、いってきてくださいっす」

と、幸助君。最近は背が伸びてきて体格も良くなった。……とてもかっこよくなった。

他人を気遣う性格も爽やかな笑顔も、憧れる女の子は少なくないんじゃないんだろうか。

「ん〜。最近セト休みないし、今日くらいは行ってきたら？僕が代わりに残るよ」

「ん。そうだな。たまにはセトも休まないと体に悪い。カノの意見に賛成だ」

「そうっすか……じゃあココはカノに任せるっす」

「うん。皆気をつけてね」

結局修哉君がアジトに残るのかな？珍しいかも。

私もこの子みたいに皆に気を使ってもらえるような子になりたい……な。

「どうしたA？いくぞ？」

「あ、うん。あ……」

「何かあったのか？」

「ちょっと待ってて」

部屋からタオルケットをとってマリーちゃんにかけてあげる。風邪引くと大変だからね。

マリーちゃんを見てると複雑な気持ちになる。私にはないものをこの子は持ってる。

そう思うと羨ましくて羨ましくて……妬ましくて＿＿＿

「ほら、行くぞ。早くしろ」

「あ、ごめん」

何か今不思議な感覚がした。なんだろう。

まぁいいや。気のせいだろう。

そう思いつつアジトを後にした。

事件→←設定

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す