#2 ページ39
「そこら辺にしてあげたらどうですか？
この子にはどうも刺激が強いようです」
「うっ…」
クスクス笑いながらフロイド先輩をさとすジェイド先輩。
フロイド先輩を止めてくれる…立場的にはありがたい人だけど、どうも苦手だ。
「にしても、いい匂い…ですか」
一方で、匂いに食いついたメガネの人。
(助けて貰った事実は事実だし…)
早く戻りたいところだけど、お礼がわりに、と説明する。
「多分、私が好みで使ってるサシェの匂いですね
母国でしか取れないハーブを使ってるんです」
「ノースアイルズ…貿易で栄える国と聞いていましたが、国固有のハーブがあるとは知りませんでした」
「最近はより外来種が増えて、以前よりも維持するのが難しくなってきましたが…にしてもお詳しいんですね」
そこそこ有名になったとはいえ、他国の…言い方は悪いけど平民が知ってる話でもないだろう。
「たまたま、調べる機会があったんですよ」
そう言って微笑むその人。
ジェイド先輩と似たような笑い方に、(信用ならない)と脳が警鐘を鳴らす。
「あぁ、申し遅れました。僕はアズール・アーシェングロット」
「私はA・ウェスターです…よろしくお願いします、アズール先輩」
「フフ、よろしくお願いします」
話は終わった。
そう判断して背を向ければ、「待ってください」と引き止められる。
「できればそのハーブを紹介していただけませんか？」
「…何故です？」
「フロイドが絶賛する香りに、興味があるんです」
(悪い話、ってわけではないけど…)
どうもこの人が言う言葉は胡散臭く感じてしまって、すぐ頷けない。
「対価は勿論払いますよ？多少の優遇だって、」
(“対価”…か)
その単語とやけに取引に慣れているのを見て、何となくこの人達の狙いがわかった気がする。
「対価などは要りません」
「…ほう？」
「私としても“国のハーブが広まる”のは良いことですから
…それで、どのようにお使いになるおつもりですか？」
「おや…バレていましたか」
肩を竦めたアズール先輩。
それに自分が優位に立てたように感じて少し余裕が生まれた。
「そのハーブを今検討中の香水の材料候補に採用する他、カフェでのドリンクに使う事も考えています」
「…大方、そんな事だろうとは思いました」
後々親交を深めてからきちんと話すつもりでしたよ
くいっとメガネを上げてこちらを見据えるアズール先輩。
その顔は、確かに商人の顔をしていた。
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のま(プロフ) - アイリスさん» タイトル変更を少し前にして…反映してなかったのかもしれません汗。私自身も気になってはいたのですが、直し方もわからず…と言った具合で。申し訳ありません (2020年5月20日 22時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス - 完璧な仮面という作品を押したら誰が為の王女というタイトルが出てきた……。ん……？ (2020年5月20日 20時) (レス) id: 191e3f71f6 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - あすまさん» ニヤニヤしていただけて作者冥利に尽きます…その上身体の心配まで！素敵なコメントをありがとうございます！頑張ります( ´ ` *) (2020年4月25日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - とても面白いです!!デュースとの絡みを見て､いつもニヤニヤしてます(笑)今の時期大変ですが､お身体に気を付けて下さいね。更新頑張って下さい!! (2020年4月25日 18時) (レス) id: 9925a6995f (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - saraさん» ああああなんという間違いをおかしてしまったのでしょう…今気づいてるところは修正入れます！共有ありがたいです…！頑張ります！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月10日 19時
