#3 ページ40
「細かい話をするには場所が悪い…
今日の放課後、空いていますか？」
「それは随分と急ですね。こうなるのは予想外でしたか？」
にこりと微笑んで煽れば、「貴方も結構言いますね」とジェイド先輩に苦笑される。
「“完璧な王女”と呼ばれているのは知っていましたが、周りの王子や富豪の方の先入観が強くて…少し甘く見ていた事は事実です」
(…あぁ)
また肩を竦めながら言うアズール先輩に、同情する。
(レオナさ…先輩とカリム先輩がいれば、偏見が生まれるのもわかる)
「元々貿易が盛んな国ですから、私でもいくつか商談をこなした事があります…そのセンの勘は鋭いのですぐ気づきますよ」
「覚えておきます」
本当は親しくなってから、交渉に有利な状態で進めたかったんだろう。
(よく私も使う手段だ)
「…で、今日の放課後、ですよね？」
「はい、お時間は合いますか？」
「えぇ。特に予定はありませんわ」
「それでは放課後、モストロ・ラウンジにいらしてください」
「…モストロ、ラウンジ？」
私が首を傾げると、「おや、知りませんでしたか」と笑ってアズール先輩は教えてくれた。
(校内に学生の経営するカフェ…相変わらず凄い学校)
(さっき言ってたカフェも、そこか)
「VIPルームを用意しておきます、ジェイド」
「既に予約済みです」
あまりに順調に進む話に、また違和感を感じる。
(もしかして、私が気付くのも計算していたんじゃ…)
＿＿私が気づいていた場合のメリットとしては、確実に早く商談を進められる事だ。
対してアズールさんが元々計画していたという作戦では、きっと安くハーブを手に入れられただろう。でも、時間がどれほどかかるかはわからない。
ここで思い出せ。彼は“今検討中の香水に”と例を挙げていた。
つまり、出来るだけ早く商談を進めるつもりだったんだろう。
(…やられた！)
何煽ってんだ私。してやられてんのはこっちだぞ。
「…貴方の方が一枚上手でした」
「おや、バレてしまいましたか」
そう言った彼は、楽しそうに笑う。
さっきまでの作ったような笑い方と違う…こっちが素なんだろう。
「でもなぜ、私を試すような真似を？」
どうしても気になって、先輩に聞く。
だって、わざわざ偽の計画をチラつかせる必要なんて本当はなかったんだから。
「ただ、気になったんですよ
僕が貿易国の王女相手にも通用するのか」
…悔しさに叫びたいのを我慢した私を、誰か褒めて欲しい。
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のま(プロフ) - アイリスさん» タイトル変更を少し前にして…反映してなかったのかもしれません汗。私自身も気になってはいたのですが、直し方もわからず…と言った具合で。申し訳ありません (2020年5月20日 22時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス - 完璧な仮面という作品を押したら誰が為の王女というタイトルが出てきた……。ん……？ (2020年5月20日 20時) (レス) id: 191e3f71f6 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - あすまさん» ニヤニヤしていただけて作者冥利に尽きます…その上身体の心配まで！素敵なコメントをありがとうございます！頑張ります( ´ ` *) (2020年4月25日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - とても面白いです!!デュースとの絡みを見て､いつもニヤニヤしてます(笑)今の時期大変ですが､お身体に気を付けて下さいね。更新頑張って下さい!! (2020年4月25日 18時) (レス) id: 9925a6995f (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - saraさん» ああああなんという間違いをおかしてしまったのでしょう…今気づいてるところは修正入れます！共有ありがたいです…！頑張ります！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月10日 19時
