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息子が必要だった両親は、僕に男になれと言いました。


僕が産まれた日、祖父はこういったらしいです。


"此奴は男だ。女などという下等な生き物ではない。"


女を産んでしまった母は、祖父からも父からも責められ、頭がおかしくなってしまったそうです。


それから可笑しくなった母は自ら命を経ったそうです。


僕は母との記憶がありません。


その後父は直ぐに他の女と結婚しました。


僕はその女に男として育てられました。


男としての立ち振る舞い、歩き方、話し方、全て。


体調を崩すなんて考えられ無かった。


それに、僕はちょっとした所作でさえも女らしさを出してはいけなかった。


僕は男なのだから。


母は厳しかったです。


上手く出来なければご飯を抜かれましたし、罰も与えられました。


幼い頃は痛かったなぁ、心も身体も。


でもね、不思議なんです。


人ってそれが続くと心も痛くなくなるし、身体の痛みも無くなるんです。


僕が9歳の終わりを迎える頃、伸ばしていた髪の毛を切られました。


僕はその日から涙が出なくなりました。


弱味になる涙も枯れた。


痛みも失いました。


僕はあの日、何も感じぬ跡取り(人形)になったのです。


優秀な人材となる為に色々な勉強をしました。


それからは淡々と日々が流れ、僕は一般的にはよく出来る方の人間になりました。


でも、それでも母は足りないらしく、もっとと求めてきました。


父も同じでした。


僕はそうしてつまらぬ人生を過ごしました。


そんな日々に飽き飽きしてしまった僕は、この世界がどうでも良くなって、何度か自死をしようとしました。


まぁ、全て失敗に終わったのですが。


父はそんな僕に言ったんです。


"お前は、お前の生みの親と同じ欠落品だ"


僕はそこで初めて母が本当の母じゃないことを知りました。


その時僕が何を感じたと思いますか?


……何も感じなかったんです。


その時、つまらないニュースでも見ているようなそんな気分だった。


僕はそれからも何度も死のうとしました。


けど、全て邪魔される。


だから、もう僕は自死さえも諦めました。


僕は死にたいと思いながらも、自死を選べなくなったのです。


でもね、貴方達に出会う前にポートマフィアのみんなに会って、その時はまだ治もいて。


そこで、僕は段々と自分の気持ちって言うのを思い出してきて。


僕は……ポートマフィアで過ごして、初めて生きてみようかなって思ったんです。

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麗夜(プロフ) - 碧さん» コメント、ありがとうございます。よければ長いんですが続編移行の所を読んでくれると嬉しいです。 (2021年10月2日 1時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)
- 夢主に女装?させてください! (2021年10月2日 1時) (レス) id: 044844ac69 (このIDを非表示/違反報告)
- 明日香ちゃん文すとの世界に来てほしい。 (2021年9月15日 20時) (レス) id: 0f5622965b (このIDを非表示/違反報告)
桜三ツ木(プロフ) - でも、すごくよかったですよ!なので気にしないでください。あと、私も女子会一回ぐらいしかしたことないので。これからもがんばってください! (2021年9月8日 23時) (レス) id: 19095acc19 (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - 桜三ツ木さん» ご希望に添えず申し訳ないです、、女子会というものを非リアの私はした事がなく、女子会かぁぁと悩み、まぁ色々調べて見て、これでも一応頑張って書いたんです… (2021年9月8日 0時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麗夜 | 作成日時:2021年8月1日 18時

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