一目惚れ ページ28
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無事アイスを買って、
沈黙を嫌がるように私達は話し続けた。
「やっと家着いたか」
『そんな寒かった?』
「いや、凄い寒かったよね」
『私はあんまりかな〜』
ジャンパー、マフラーを外して
手洗いうがいを済ますと
即行でこたつに入ってアイスを食べる。
ジンワリと暖かくなってくる反面
口の中に広がる冷たいアイス。
『絶妙…』
「よく食えるなぁ」
『御幸くんも食べる?』
「俺は遠慮しとく」
そっか。
と軽く返すと
御幸くんはテレビをつけた
どのテレビも面白くない。
「…高嶺はさ、」
『うん?』
「高校の時の事、覚えてんの?」
『っ…まぁ、大変だったし』
「そっか」
『御幸くんは覚えてないの?』
テレビのチャンネルをころころと変え、
私の方を見ないで、返事を続ける。
その横顔
私は鮮明に覚えてる。
ーーーー「俺さ、結構高嶺のこと好きだよ」
真剣に野球をする君が好き。
お茶らけて笑う君が好き。
「俺は、野球の事は覚えてる」
「負けたあの日も、勝ったあの日も」
『他は覚えてないの?』
「俺さ、結構高嶺のこと好きだよ」
『っ……』
「おやすみ。もう寝るな。」
「高嶺も食べすぎっと太るぞー」
『そ、そうゆうこと言わない!!』
にかっと笑った後、
彼は自分の寝室に入った。
何、さっきの。
期待、しちゃうじゃん
________期待させちゃう系野郎
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作者名:とーりお x他3人 | 作成日時:2016年9月16日 20時