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episode.05 ページ6

*


「えーと、これが3歳の時で…」

「可愛い…!!」


テーブルの上の何かを見ながら
盛り上がってると思いきや…


「それアルバムじゃねーか!!」


押し入れから引っ張り出してきたのか
数冊あるうちの1冊を広げては
写真を指してその時のエピソードまで語りだす
ウチの親に、耳を傾け聞き入るA。

その中には恥ずかしいものもあるわけで
俺はすかさずアルバムを取り上げた。


「ちょっと、何すんの!」

「それはこっちの台詞だ!!
なに勝手に見せてんだよ?!」

「いいじゃない!可愛いんだから!」


かっ、かわっ……て!!
親バカかよ!!?


「それに、母さんの夢だったんだもん」

「あ?」

「洋一の彼女と一緒にアルバム見るの!」

「だからってなぁ…」


んなこと言われたって
恥ずかしいもんは恥ずかしい。


「ごめん、見たらダメだった?」


申し訳なさそうに
Aに上目で見つめられれば
俺は何も言えなくなる。


「……別にいいけどよ。
こんなの見たって大して面白くねぇだろ」

「ううん、そんなことない!
私の知らない洋くんの姿が見られて
凄く楽しいよ!!」


そう言ってニコッと笑うAに
「そうかよ…」と呟き
斜め上に視線を逸らした。


熱のおかげか、シャワー上がりだったからか
照れていることに気づかれなかったことに
ホッとしたのはつかの間

口に手を当てニヤニヤしながら
俺を見ながら母さんが言う。


「ねぇ、ねぇ!もしかして
Aちゃんから洋一に告白したの?」

「はい。私から告白しました」


母さんの質問に
あからさまに動揺してしまう俺に対して
Aは少し頬を赤くするだけであっさり頷いた。

すると、調子に乗りだすババア。


「どこが?この子のどこを好きになったの?」


その質問には俺も思わず食い付いてしまう。


ただのクラスメイトで、
特に接点もなかった俺とA。

しかも学級委員から見れば俺みたいな奴は
嫌われることの方が多いはずで。

ずっと気にはなっていた。

親の前で、というのは腑に落ちないが
今の今まで聞けなかったことだ、
聞くなら今しかないんだろう。


「…もしかしたらガッカリさせたり
信じてもらえないかもしれないんですけど」


Aは一度目を伏せてから
大きな瞳で俺を見つめた。


「初めて洋くんを見たときビビッときたんです!
電流みたいなのが全身に走って。
この人が運命の人だって感じたんです」


Aはそう言い切ると
一瞬のうちに顔を真っ赤に染めた。

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設定タグ:ダイヤのA , 倉持洋一   
作品ジャンル:恋愛
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杏津(プロフ) - ひよ丸さん» そう言ってもらえると嬉しいです!ありがとうございます(^-^) (2016年2月22日 21時) (レス) id: 9273c5e1f7 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ丸 - 泣けました。 (2016年2月22日 20時) (レス) id: 96033a15a3 (このIDを非表示/違反報告)
杏津(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます(o^^o) キャラ崩壊が心配だったのですが、そう言って貰えるとホッとしました。これからもギャップを大切に頑張ります!! (2016年1月20日 21時) (レス) id: 9273c5e1f7 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - 完結おめでとうございます!倉持のギャップ萌えは他にないと思っております。チーター様の素晴らしさ流石です!これからも頑張ってくださいね! (2016年1月20日 21時) (レス) id: c2aadded24 (このIDを非表示/違反報告)
杏津(プロフ) - 乃野七さん» 最後までありがとうございました!またもっちーのお話書きたいと思っておりますので、これからもご意見、ご感想等よろしくお願いします(*´∀`*) (2016年1月20日 17時) (レス) id: 9273c5e1f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんず | 作成日時:2016年1月5日 18時

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