検索窓
今日:31 hit、昨日:8 hit、合計:239,372 hit

# 最終話 ページ37

*



生きている俺たちの時間は
嫌でも過ぎていくもので…


俺は柄にもなく、野球部の主将に就任していた




「夏川!今日もコレ、頼めるかな?」


アルプスへ向かう夏川に桜色のビデオカメラを渡す


「任せといて!御幸くんの勇姿
バッチリ収めといてあげるから」


夏川は親指を立てて
ビデオカメラを受け取ってくれた


Aちゃんのビデオカメラで
俺は今も試合のときの自分を録ってもらっている

終わらせたくないと思ったから。



「キャプテンばかりじゃ飽きるでしょう!
何なら俺の勇姿を録っても…」

「ヒャハハッ!
お前は勇姿じゃなくてバカだろ!」


いきなり顔を出してきた沢村をイジメる倉持


そんな二人の絡みを「仲がいい」と
Aちゃんはいつも笑って見てたっけ…



「何しけた面してんだよ、御幸?」

「そうですよ!
泣くのは天下を取ってから!!」

「別に泣いてねぇよ。…さぁ、行くぞ」






ずっと夢見てた


この甲子園の舞台で俺は空を仰ぐ




Aちゃん…


ここまで来るのに、上手くいかないことばかりで

情けない姿もいっぱい見られちゃったと思うけど


やっとここまで来たよ。



いつもAちゃんが近くにいる

見守っていてくれる


そう思えば、何だって出来る気がした。




俺は雲一つない青空からアルプスへと視線を移す



だから


今日も見ていて欲しい




大好きな君に

大好きな野球をしてる自分の姿を。





End

あとがき→←# 36



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (364 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
593人がお気に入り
設定タグ:ダイヤのA , 御幸一也   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あんず | 作成日時:2015年3月29日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。