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# 14 ページ14

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放課後に入り、部活へ行くべく
バッグに荷物を詰め込んでいると


「ねぇ、深沢さん。ちょっといい?」


クラスの女子3人に囲まれたと思ったら
屋上の扉前の踊り場まで引っ張られた



「な、なんでしょう…?」


まさか、曽根くんファン?!

…あの紙切れの犯人!?


そんなことがグルグル頭の中を回る



「単刀直入に聞くけど、
深沢さんは御幸くんと付き合ってるの?」


「……へ?御幸くん?」


予想外の言葉に思わず聞き返してしまった



「つっ、付き合ってないよ!!」

「良かったぁ。じゃあさ協力してくんない?」

「協力?」

「この子、御幸くんのこと好きでさぁ」


そう言って前に出された女の子、河合さんは
顔を赤く染めて俯きながら
可愛い便箋を私に差し出す



「あのっ…コレ、御幸くんに…渡してくれない、かな?」

「これって、もしかしてラブレター?」


尋ねると河合さんはさらに顔を真っ赤にしてから
ブンブン頭を横に振った


「メアド、書いたメモが入ってるだけ…。
告白する前に、まずはメールからかなって」


もじもじする河合さんは
本当に御幸くんが好きなようで
すごく可愛い



「でもこういうのって
自分で渡した方がいいんじゃない?」

「む、ムリ!!恥ずかしいし、引かれたら…。
とにかくお願いします!!」


そう言うと、私に便箋を押し付けて行ってしまった


友達2人も「深沢さん、お願いね?」と言って
河合さんを追うように去っていき

一人残された私は、便箋をじっと見つめる



これを御幸くんに渡せば
御幸くんは河合さんにメールするのかな…?

それで、次第に河合さんと御幸くんは仲良くなって
いつか付き合って…


考えれば、だんだん胸がモヤモヤしてきて
身体はムズムズして

私は階段をひたすら駆け下りた








練習中、ブルペンで投球を受けている御幸くんに
何度か視線を向けると
目が合う度、御幸くんは小さく微笑んでくれて


今日のあの休み時間で
ちょっと気まずくなった?と思っていたから
ホッとした



練習が終わって、片付けも終わらせたところで


「御幸くん!」


降谷くんと並んでグラウンドを出ようとする御幸くんを見つけ声を掛けた


「あ、Aちゃん。あのさ、本当ごめんな?
しつこく聞いたりして…。
誰だって聞かれたくないこと一つや二つあるのに」


御幸くんは申し訳なさそうに目を伏せ
頭に手を当てて言う


「ううん。もう気にしてないから!
私もちょっとキツい言い方しちゃったし…」

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設定タグ:ダイヤのA , 御幸一也   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:あんず | 作成日時:2015年3月29日 2時

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