首輪!?〈173〉 ページ40
Aside
11月初旬
ーーーカキィイーーン
三塁ベースよりに強い打球が飛ぶ
私はすかさず打球に飛び付きグラブに収める
ーーーパシッ
「ナイスキャッチA!」
A「まだまだーッ!来いっ!!」
練習着についた土を払い除けることもせず
すぐ立ち上がりショートの定位置に戻り声を上げる
「ウソ……まだやるの?!」
居残り練習に付き合ってもらってノックを打っている城島葉月(きじまはづき)ちゃんが唖然とする
谷「東京行ってからさらにストイックになったね…」
浅「いやいや、あれが本来のAだよ。
手首完治したから心置きなくプレーに集中できるって嬉しそうだった」
谷「どんだけ練習好きなのよww
……Aー!そろそろ終わるよ!」
素振りをしていた優月ちゃんが私に声をかける
まだ足りないんだけどな…
これ以上遅くなると帰り危ないし…
城「じゃ、ラストね!」
A「……うん!」
最後の1球を捕球して今日のところは切り上げる
谷「Aってさ、Mだよね〜!」
ブラウスに腕を通していると不意に優月ちゃんが言った
A「え、M?」
谷「うん。だって苦しい練習になればなるほどイキイキしてるように見えるww」
A「そーかな……?」
青道の練習ではホントに死ぬかと思うほど苦しかったから
こっちの練習もハードだけどまだ易しく感じたりする
浅「昔っから野球のことになると無我夢中になるよね」
A「まぁ、野球好きだからね」
ボタンをとめて外してポーチにしまっておいたネックレスをつける
谷「彼氏さんのことも、でしょ?」
ネックレスを見てニヤニヤする優月ちゃん
A「うん……///」
谷「羨ましいねぇ〜!私もあんなイケメンに束縛アイテムもらいたい!!」
浅「アンタは束縛する方でしょ!」
真美はケタケタ笑いながらトゲのある言葉を吐く
A「……束縛アイテム?」
何それ?と首を捻ると私以外の1年5人が私を見て目を丸くした
「Aちゃん、知らないでつけてるの?」
加賀美麻里(かがみまり)ちゃんが苦笑しながら訊ねる
A「う、うん…」
浅「束縛の意味はわかるよね?」
真美の問いに私は小さく頷く
浅「輪になってる物は相手を独り占めしたいって意味があるの。あと物の例えがあって、ブレスレットは手錠だったり…」
A「じゃあ、ネックレスは?」
浅「首輪」
く……首輪!!?
谷「遠距離だし、そりゃ首輪つけときたくなるよね〜!」
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作者名:あんず | 作成日時:2014年6月19日 16時