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エースの登場〈170〉 ページ37

御幸side



3球目のクロスファイヤーをファールにする轟

カウント1ー2に追い込む


勝負を急がないよう、ボール1個分外に外してアウトローにフォーシーム


これで2ー2…

ここで勝負だな。


昨晩と今朝投げた今のお前(沢村)が投げれる一番きれいなストレートを轟の胸元に投げてみろ…!!


俺のサインに沢村は小さく頷き余計な肩の力みを落とすように静かに息を吐いた


そして俺のミットを真っ直ぐ見て腰を回転させ胸を思いっきり張って腕を振り抜く

要求以上の球が俺のミット目掛けて放たれた



ーーーカキィィーーンッ



空高く打ち上がる轟の打球


俺はマスクを脱いで目で打球を追う


ファースト、セカンド、ライトが打球処理に向かう



間に合うかーーー!!?




前「任せぇーッ!!!」

ゾノが声を張り上げ後ろに下がりながら飛び付く



一塁線沿いのファーストの後ろに落下する打球は
ゾノのグラブの先に収まった


審「アウトぉ!!」



倉「ヒャハハ!!ナイスキャッチゾノ!!ひやひやさせやがって!」

沢「ゾノ先輩!男の中の男っス!!」

春「ナイスキャッチ!」


ゾノのファインプレーで轟を打ち取ることができ
2アウト 一塁。


あと一人……


御「沢村!気ィ抜くなよ。ここからだ」

沢「わかってますよ!つーかそっちこそ!!」

御「お前が俺の心配すんなんて100年早ぇ!」


ったく、怪我に気づかねぇくらいコイツがバカでよかったよ。

額や頬を伝う汗を拭う


あと少し……もってくれよ


怪我の痛みに耐えてくれと自分の体に暗示をかけるように願った


さて……この打者(真田)に対し、どうリードするか…


さっきは打席、チェンジアップを合わせて外野バックに持っていかれたからな…


思考を回転させていると


監「御幸!ピッチャー交代だ」

ベンチから監督が言った


御「……ピッチャー交代でお願いします」

監督の指示通り審判に伝えてマウンドに駆け寄る


マウンドには降谷が上がってきた

沢村はなんでここで交代なのか納得いかないという顔をする


御「お前はここまでよく投げたよ。監督は信用してないから下げるわけじゃねぇから…」


沢「……」

沢村は猫目になりながらも降谷にボールを渡した


沢「打たれたら即代わってもらうからな!」

降「……打たせないから」


降谷の返事にピクッと肩を反応させながらも
沢村はそれ以上騒ぐことなくマウンドを降りた


御「肩は出来てるよな」

降「充分です。(早く投げたい……) 」

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設定タグ:ダイヤのA , 御幸一也   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:あんず | 作成日時:2014年6月19日 16時

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