主将の怪我〈167〉 ページ34
Aside
打球をグラブに収めた轟くんは
勢いよくファーストへ投げる
そのボールは高くそれたが、なんとか三島くんがキャッチして
真田さんはたった1球でピンチを免れた
3アウトチェンジで次、守備につく青道選手はベンチの前で立ち止まっている
まさか…
3回のチャンスで打てなかった一也くん
怪我してることがバレちゃったんじゃ……!!
伊「えっ昨日のクロスプレー?ケガ?そんな素振り全く見せてなかったろ。昨日の夜も、今だって普通にプレーしてんじゃん」
3年生たちの中でも昨日のクロスプレーでのことがあがる
「ちょっと待て。主将で4番、ましてや投手をまとめる守備の要だぞ。もし御幸が抜けたらどーなっちまうんだ!」
亮「それがわかってるから黙ってたのかもね…。そーだろ?天宮……」
座っている亮介先輩は私を見上げて尋ねる
亮「天宮は気づいてたんでしょ?御幸が怪我してること…」
じっと私を見る亮介先輩に嘘をつけるはずもなく
静かに頷いた
A「最初は汗の量だけで半信半疑だったんですけど……」
亮「明確にするため無理やり服でも脱がせたとか?」
A「えっ!?あ、、えっと……///」
亮介先輩の勘が良すぎる鋭い発言に言葉を詰まらせる
そんな私の反応を見て、先輩たちは唖然とした
ク「天宮……お前………」
クリス先輩は頬を赤らめて私から目をそらし俯いてしまった
成「え、Aってそんな大胆なの!?」
原「人は見かけによらねぇな」
A「あの時は怪我のことで頭がいっぱいで……!!/// 思わず見惚れたりとかそんなことありませんでしたから!!」
全員 ( ( 御幸の裸に見惚れたんだな…… ) )
伊「……つーか、わかってたならなんで止めなかった?」
伊佐敷先輩が厳しい口調で言う
A「もちろん止めようとしまし、病院へも行って欲しいと言おうとしました。
でも、亮介先輩がおっしゃった通り、主将の怪我でチームに迷惑をかけたくないと言われて…」
亮「天宮の言うこと聞かなかったってことは俺たちが言ってたとしても無駄だったってことだよ。
それに、俺も天宮も、立場は違うけど御幸の気持ちわかるからさ」
大事な夏の予選決勝を前に亮介先輩も私も怪我をして、それを隠して最後の試合に出て
チームに迷惑がかかると思い、最終的には自身から交代を申し出た
あの時のツラさは今でも忘れられない
だから、一也くんには正直最後までグラウンドに立っていてほしい
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作者名:あんず | 作成日時:2014年6月19日 16時