天才捕手の恋人【御幸一也】

期待の沢村くん〈166〉 ページ33

Aside



６番、平畠さんのライナーを止めようとした川上先輩がグラブで弾いてしまうが

打球の方へ向かっていた倉持先輩の素手キャッチからのバックトスと春市くんとのコンビで

見事ゲッツーをとった


A「かっこいぃ…」

思わず声に出てしまう倉持先輩の魅せるプレーに
球場も盛り上がる


倉持先輩の後ろで守ってた時も常々思ってたけど
魅せるのが上手いなぁ……！！


前チームの二遊間と全く引けをとってない
あんなトスを捕る春市くんも凄い！！


２アウトをとったものの、川上先輩は四死球でランナーを出してしまう

そして次のバッターに打たれてしまい
同点のランナーがホームイン


すると、青道の投手交代のアナウンスが流れる

このピンチに出てきたのは沢村くんだった


降谷くんが怪我で、１回しか登板が出来ないと高島先生から聞いていたから予想は出来ていた


沢村くんがマウンドに上がると自分はグラウンドに立って守ってるわけじゃないのに
あの時と変わらずワクワクすると同時に

この流れを変えてくれるんじゃないかって期待すらある



２アウト 二、三塁

昨夜のピッチングからして夏と比べたらかなりストレートが成長した沢村くん


バッターは１番の秋葉くん

初球、インコースいっぱいのストライク

２球目、アウトコース

３球目のストレートに手を出した秋葉くんの打球は運悪くサードの後ろに落ちてしまい

薬師に追加点を獲得される

しかし、２番の増田くんを三振させた沢村くんに

「「おしおしおーーし！！」」

青道スタンドは盛り上がる


だけど何故か本人は口を閉ざしたまま叫ばないからスタンドからはブーイングが飛び交った


５回表、３人で抑えていた轟くんが
三連続四球を出して満塁にしてしまう

逆転のチャンスに回ってきたのは４番一也くん

だけど、一也くんが打席に立った途端に
投球が良くなる轟くん

一也くんは三振してしまった


轟くんの投球が読めないこともあるんだろうけど
やっぱり、怪我で思うようにプレーできないんじゃ…

掴んでいた手すりにぐっと力が入る


１アウト 満塁

５番の前園先輩のライトへの犠牲フライで
三塁の倉持先輩がホームイン

再び同点に追い付いた


それからまた轟くんの四球で満塁になる


そこでついに薬師の投手交代のお知らせが響く

ファーストからマウンドへ上がる真田さん
とうとう薬師エースが登場した


樋笠先輩は初球から打ちにいき
代わったばかりのサードの轟くんへ打球が転がる

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