お揃いの〈160〉 ページ26
御幸side
ネックレスに触れて嬉しそうに微笑むA
御「……あのさ、そのネックレス実はペアなんだよ…」
A「え、そーなんですか!?」
Aは目を見開きキラキラさせて俺を見上げる
机に置いたままのもうひとつのシルバークロスを手に取りAに見せる
最初、Aのネックレスだけを買うつもりだったんだけど
店員さんにオススメされたペアネックレスに目がいって迷ったあげく買ってしまった
何だかペアネックレスと言うのが恥ずかしくて言い出しにくかったけど
満面の笑みを浮かべるAにそっと胸を撫で下ろす
A「あの、一也くんのネックレス、今度は私がつけてもいいですか?」
御「あぁ。いいよ」
俺はネックレスをAに渡し再びベッドに腰を掛ける
俺の前からネックレスを回し
首の後ろにAの細い指が触れる
A「何だか結婚式の指輪交換みたいですね?……できました!」
御「っ!!?////」
Aが後ろから前に来て俺の首元に下がったクロスを見て満足そうに微笑んだ
Aの発言に思わず顔が火照り口許が緩んでいるのを隠すため右手で覆い顔をそらした
A「……一也くん?どうかしましたか?」
キョトンと首を傾げるAを横目でチラッと見て俺は椅子から立ち上がる
御「……何でもねーよ!ほら、行くぞ」
ド天然な彼女の額を指で弾き、小さな手を引いて部屋を出た
真田side
「真田、あの女の子誰なんだよ?」
「青道のキャッチャーと何話してたんだ?」
帰りのバスといい、帰ってからの練習後からずっと同じ質問を浴びせられる
真「大したことじゃねーよ。それより……」
そう言って何度もはぐらかす
三「真田先輩、本気なんスか!?
相手は敵だった奴なんスよ?それに青道のイケメンの彼女ならしいじゃないですか!」
事の成り行きをしっている三島までもこうして突っ込んでくる
真「ミッシーマ、お前声でけぇよ!」
「まさか、他人の彼女に手ぇ出そうとしたのか?お前、やることえげつねぇな……ww」
真「別に手を出したり無理やり奪ったりしねぇよ。でも、そう簡単に諦めたりもしねぇけどな」
初めてAちゃんのピッチング、守備、バッティングを見て
ダントツ小柄で細いくせにプレーが一番輝いて見えたことに最初は興味を持っただけだった
けど、実際に話して試合をして
試合後の整列のあと、握手をしたときの彼女の手が忘れられなくて
何か引っ掛かってる感じがした
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作者名:あんず | 作成日時:2014年6月19日 16時