天才捕手の恋人【御幸一也】 (ページ24)

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何度も重ねて〈158〉ページ24

Aside

外ではメガネを外さないでと言うと

一也くんは自分の頬に添えられた私の手をとり

私の指に自身の指を絡め

「なんで？」と何かを悟ったような笑みを浮かべて訊ねる

A「今よりモテちゃうからですよ」

メガネ掛けててもモテるというのに

さらにイケメンな素顔を世間に晒せば

私は今以上にヤキモチを妬かなければならなくなる

すると一也くんは少し考えるように眉を寄せた

御「じゃあ、Aもメガネ掛けたら今より嫉妬しなくて済むようになるかな…？」

呟くように言って自分のメガネを私に掛ける

はっきり見えていた視界がぼんやりとして目が回りそうになった

度がキツい
一也くん、思ったより目が悪いんだ…。

御「あー、やっぱダメだな。」

一也くんはパッと私からメガネを外す

御「メガネ掛けてても可愛さは隠せねぇわ」

一也くんは困ったように笑って私の頭を撫でた

御「……A、“ あ ” って言って？」

A「……あ…？……っん…！？」

一也くんに言われた通り「あ」と口を開けると

その瞬間、一也くんにまた口を塞がれ

開いた私の口に一也くんの舌が入ってきた

A「んンっ……」

一也くんの熱い舌が撫でるように私のに触れると

今度は絡めてくる

だんだんと深く激しくなるキス

身体中に熱がこもって、入っていた力が抜けていく

微かに唇を離すと角度を変えてまた深く重なる

少し息苦しいキスでも

一也くんに触れている、触れられている、と

寂しかった心が幸せで満たされていく

重なっては離れてまた重なるキスを何度も繰り返して

一也くんの唇が首筋に移る

御「Aは誰にもやらねぇ…。渡してたまるかよ」

一也くんは小声で言うと、首筋に吸い付いた

A「んっ……ぁ///」

チュッと音を立てて一也くんの唇が離れる

御「真田に、今日告られたんだろ？」

A「……はい。知ってたんですか？」

御「試合後にベンチ裏で本人から聞いてさ。
それで宣戦布告されたんだよ。

驚いたけどどーせ本気じゃねぇだろとか思ってた…。
けど、真田の目が試合の時みてぇに本気だった

まさか、ここで本気の恋敵が現れるとはな。
情けない話、正直少し震えた…」

一也くんは苦笑いして私の頬にそっと触れる

A「……私は一也くんから離れたりしません」

御「あぁ。俺も、もう二度と離したりしねぇよ…」

表情が苦笑から微笑みに変わった一也くんは

触れるだけの優しいキスをくれた